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捜し人 5
アルキナを知ってる。
この子供は確かにそう言った。
「アルキナを知ってるだと?
どう言う事だ!?」
黙って聞いていたアディが声を荒らげシュリの肩を掴んだ。
「アディ、うるさい!!」
アディを取り敢えずシュリから引き剥がすとフランはもう一度アディと同じ質問を投げ掛けた。
「あんまり覚えてないけど、アルキナが僕をウィルの所に連れて行った」
「ウィル?」
「ウィルは僕をご主人様に売った人。
アルキナが何処にいるのかは知らないけどウィルなら知ってるかも」
思いもよらない手掛かりに二人は言葉を失った。
そしてフランはフッと不適な笑みを浮かべた。
「ははっ、まさかこんな所で情報が得られるなんて。
やっと見つけた」
シュリはどうしてアルキナを捜しているのかと聞きたかったが何か因縁がありそうな表情をしたフランにこれ以上何も聞けなかった。
それから宿にもう一泊して、アルキナとミルドを捜す旅を3人ですることとなった。
この出逢いが、彼等の運命を大きく変えることなど知る術もなく___
先ず彼等はアルキナの情報を知っていそうなウィルの元を訪ねる事が手っ取り早いと目的が決まる。
シュリ曰く、アルキナはたまにウィルの家を訪ねて来ていたと言う。
だからアルキナと会える可能性が高い。
ウィルの住む町はカランと言う町らしい。
地図を見ると、ここからだと先ず汽車に乗ってオーヴェンと言う街へ行きそこから森を越えなければならない。
一行は早速汽車に乗るための駅に向かった。
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