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闘技場 1

オーヴェンと言う街に下車したシュリ逹はその向こうにあるウィルが住むカランへ行く為に森へ向かうのだが…… 「何言ってんだい。 あの森にはグリムがうようよいるんだ。 そんなところに寄り付く者なんで誰一人居やしないよ」 森への道を老婆に尋ねるとその森はグリムが沢山生息しており、危険過ぎて誰も近付くことはないと言う。 グリム、それはこの世界で最も危険な生物と言われる存在である。 凶暴で人には決して慣れない、恐ろしい生き物だ。 「じゃあカランへ行くにはどうしたら?」 「カランへ行くなら森を迂回して行くしかないね」 「そんな……」 森を迂回するとかなりの遠回りになる。 しかしそれしか行く方法が無いならそうするしか無い。 仕方ないからこの日はこのオーヴェンで一泊して朝早くに出発することにした。 因みにこの街、闘技場があってそこでは剣闘士達の闘いが行われているという。 道を尋ねた老婆がここの名物だから行ってみるといいとお勧めしてきたので暇潰しにと立ち寄ってみた。 中に入ると大勢の観客がいた。 観客の中には貴族らしき者もいる。 周りの様子からしてシュリ逹が来たときにはもう何戦か終わっていたようだった。 そして闘技場の真ん中に一人の男が現れた。 「さぁて続いての剣闘士逹による決闘を皆様、早速お楽しみ下さい!」 男はそう言うとさっさと奥へと引っ込んでいった。 代わりに現れた剣を持った二人の男逹。 そしてピーと言う笛の合図で互いに斬りかかった。 それと同時に闘技場全体が歓声の渦に飲み込まれる。

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