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闘技場 4
フランとアディはこの光景に目を疑った。
しかもグリムはシュリの頬をペロペロと舐め、懐いているように見えた。
「これは……」
シュリはそのグリムを愛おしそうに撫で、言葉を掛ける。
「もう大丈夫だから、森に帰っていいよ」
するとグリムは人の言葉を理解しているのか闘技場から森がある方へ去っていった。
「フラン、こいつもしかして__」
「おい貴様ら、これは一体どういうことだ?」
アディが何かを言いかけたところでそれを遮るように見知らぬ黒服の3人の男女が現れた。
「まずい、見られたか?」
今のシュリとグリムの様子を見られてしまったようで二人は渋い表情を浮かべる。
人には決して懐かないグリムがシュリの言うことを聞いた。
その事実は人々に与える影響がとてつもなく大きいことはこの場にいる誰もが理解していた。
「取り敢えずその子供をこちらに渡してもらおう。
悪いようにはしない」
黒服の男がシュリを連行しようと近づくがそれをフランとアディが立ち塞いで阻止する。
「悪いけど、それは聞けない」
アルキナの手掛かりである彼をおいていくわけには行かないし、何よりまだ出逢ったばかりだが見捨てる程酷い人間ではない。
「なるほど……
では実力行使するまでだ。
あとから後悔しても遅いぞ‼」
男達はそれを合図に手を振りかざすと水の球体が現れ、それが槍のように形を変えフラン達を襲う。
「こいつら魔道士か‼」
彼らはグリムを駆除する為に駆けつけた魔道士だった。
シュリを守るべく二人も彼らに魔法で応戦する。
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