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闘技場 5

黒服の魔道士達に応戦する二人だったが、放たれた水の槍にアディは苦戦していた。 黒服の彼らは水の魔法と言い、水を資源としそれを操る水の魔道士。 一方アディは火を資源にする火の魔道士の為、彼らの操る水の魔法とは相性が悪い。 だから炎が消されてしまって上手く本領を発揮出来ない。 「ほんと、こう言う時は役に立たないよね」 「うるせぇな」 アディに辛口のフランは風の魔道士。 その名の通り、風を操る。 剣に風を纏わせ、彼らの水を打ち払っていく。 「くそっ、こいつ強い‼」 華奢な身体に似合わず、戦闘能力が高いフランは相手を圧倒していく。 しかし相手も魔導士だ。 女の魔導士が他の魔導士と応戦するフランの横を隙をついて通過し、シュリを捕らえようと水で左右から包囲する。 「しまった…… シュリ‼」 このまま捕まってしまう。 二人は急いで女を止めようとするが、他の魔導士がそれを阻止してくる。 水がシュリを包んだその時、水が真っ二つに割れた。 「なっ……‼」 一瞬その場が静まった。 見るとシュリの目付きが先程までとは一転、人殺しの目に変わっていた。 そしてシュリは手を上に伸ばすと、風がぐるぐると巻き始め、巨大な円形に膨れ上がった。 「風の魔法……?」 フランとアディは驚いた。 彼のそれはまさに風の魔法その物だから。 シュリが魔法を使えるとは一言も言っていなかったし、あれほどの魔法を使うのも容易ではなく、相当な使い手だと言うのも驚きだ。 だが驚いた理由はそれだけではなかった。 「………」 シュリは巨大に膨れ上がった風の渦を魔導士の女に放った。 「くっ……」 女は水で壁を作り防御するが、シュリの魔法が勝り女は数メートル吹っ飛ばされた。

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