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第4話 画像流出

 「いやあ、惜しいなあ。すごく良い絵が撮れてるんだよね。もったいないなあ。斎藤君だっけ?バイトしない?どうせもう後ろ洗った事だし。ちょいと気持ち良い思いしてお小遣い稼ぎ。どう?」  冗談ですよね?あなたは何を言っているのか解っていますか?  「無理ですよ。絶対に無理!」  「顔はモザイクかけるからさあ。」  顔は…って……どこはモザイクかけないつもりですか?  「ねえ、君は男性経験あるの?」  ドクターが聞いてくる。でも、ドクターじゃなくて俳優さんなのでしょうけれどね。この人は何を言ってるのでしょうか?あるわけがないでしょう。  そもそも自慢じゃないけれど、僕は何も経験ありません。ええ、自慢じゃないですけどね。  「え?な、何を言って……あるわけないでしょう」  「へえ、意外。そっち系にモテそうな顔してるのにね。俺なんてどストライクなんだけどな。それも初物。俺と付き合っちゃう?」  モテた事は生涯一度もありません。部活の先輩がやたらと優しく手取り足取り教えてくれたくらいです。と言うより、あなたと付き合うって選択肢はありません!と、叫びたい気持ちです。  「監督、この子だったら今日はノーギャラでも良いよ。その分この子に上乗せして。何とかしてよ。すっかりその気だったのにここでストップはきつい」  僕を意図的に会話から外して、二人で進めようとしていませんか?僕の意思はどうなるのでしょうか?  「ところで、君、いくつ?」  「20歳ですけれど」って、何を答えているんだろう。  「じゃあ十分大人だね。さて、ここからは大人の交渉をしようか。さっき撮ったやつだけどね。間違えて流出しちゃうなんて事もないとも言えないよねえ」  「え?」  「いやいや。万一ね。画像流出しちゃったら……って話だよ」  「ど、どういう事でしょうか」  頭から血の気が引いていきます。  「今日一日の経費もかかる事だしねえ……」  世間の皆様、これを脅迫と言わずして、何というのでしょう。  「おい、丸山。契約書もってこい」

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