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第12話 プロフェッショナル

「ん?将生、自分でも少し遊んでるでしょう。簡単に指入っちゃったね」  指摘されて恥ずかしさで耳まで赤くなってしまいました。この前の香月さんとの一件以来、刺激が足りなくて、少しほんの少しだけ……それだけです。余計な事には気がつかなくて良いです。  でも自分じゃなかなか良いところに届かなくて、なのに今日はもう限界はすぐそこですね。  心の中でまるで恋人を呼ぶように呼んでいます。「香月さんっ」って、聞こえませんか?  その時ぐっと身体が横に引っ張られました。  「はい、交代だね」  ローテーションって……やっぱりそういう事ですか。そうですよね。さっき見てしまたった、見てはいけないイチモツがすぐそこに。体に当てられているような気がします。  「斎藤ちゃん、この前くらい叫んでくれて大丈夫だからね」  成人した後に誰かに「ちゃん」付けで呼ばれてる日が来るなんて夢にも思ったことはありませんでした。それより僕は今、どんでもない窮地に立っているような気がします。  この男の人は絶対に人間ではありません。少なくとも僕の周りにはいません。今日も香月さんが相手と聞いてきたのに。  「監督……相手は香月さんって、おっしゃってましたよね」  とりあえず聞いてみます。もしかしたら間違いかもしれません。今日は、ここでお終いって事は……ないですよね。  「プロフェッショナルでしょ、お金貰うならしっかり働く。はい、スタート」  ……そうでした。  これは、れっきとした仕事でした。きっと香月さんもそうなのでしょうね。僕の事、少しは好きだと思ってくれてるのかな……。  あれ?どうして考えがそっちへ行くのかな。一体僕は、何を考えてるのかな。

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