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第19話 Fault
気持ちいい、このままもっとと思いつつ……ふと目を開けた瞬間に誰かが見え……!
え!?ええっ! どうして?
……なぜここにいるのでしょう。
今日はここに来ないはずの香月さんがなぜか現場にいます。見られたくないです。
……嫌だ!
あれ、なぜ見られたくないんでしょう。
これは仕事……のはず。だから見られても……。
やっぱり嫌です。香月さんは無表情で立っています。悲しくなりました。
前回は、香月さんが相手だと思っていました。今日は最初から違います。やたらと喋るこの外国の人が僕の相手です。
僕の気が逸れたその瞬間に、相手の顔つきが変わりました。なぜか苛々しています。気もそぞろって言うのでしょうか、相手にも伝わるものなのですね。
「齋藤ちゃん、どうしたの?」
いい感じて撮れていたのにと監督が不平を漏らしていますが、すぐそこ外野に香月さん来てますからね。
その時すっと相手役の男の人が立ち上がりました。
あ、良かった解放されると思った瞬間にかちゃりと音が。
え?かちゃり?
両手の自由が奪われました。なぜかベッドの柵に繋がれてしまいました。
"It's your fault."
え、えっと意味が分かりません。助けてください。通訳さん、どこへ行ってしまったのでしょう。
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It's your fault. [意味: お前のせいだ]
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