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第31話 リップ

   俺の唇をなぞった香月さんの指先には、少し薄赤い色がついてしまいましたね。  「これ……甘い?」  指先を舐めて香月さんが言います。そういえば、さっき「いちごから作ったリップバームだから舐めても大丈夫!」って言われたような気がします?甘いんですね。  似合ってると言われた事と、くちびるを直接舐められたことに反応して、ぞくぞくしてしまいました。何だか今まで一度も味わったことのない感覚にアルコールに酔ったような気持ちに……。  「色っぽいね、将生」  香月さんは、そう言うともう一度深く口付けてくれました。  自分がどんな痴態を演じているのかさえ、もう気になりません。演技じゃなくて本当に気持ちよくて溶けそうになっていること、きっと香月さんは気がついていますね。  ときおり目の端に映るカメラやマイクさえ、風景の一部になってしまっています。  「んっ、ああ。や…だ…、あぁぁ」  平らな胸の左の小さな先端を口に含んで吸い上げられるました。反対側はさっきからずっと指で捏ねられているし……。  もう上下左右が解らない世界です。じんじんとする軽い痛みに似た感覚に違う世界を見てしまいそうです。  「香月さんっ、で、出ちゃう、止めて…ねえ」  懇願すると一度俺の身体から離れてスカートを捲り上げられました。なぜでしょう。 なぜかな。  「うーん、少し待ってて」  下着を剥ぎ取られ、たくし上げられたスカートの向こうに違和感のある俺自身が存在を主張していました。

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