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第34話 つけまつ毛

 「将生は裸にしても何故か中性的だよね。今日は特にそうだな、つけまつげの所為なのかな?目の印象が違う、可愛い顔でエロいって最高だよね」  口づけた直後に、耳の中に直接囁きかけられて、さらに自分の中心に熱がこもってきました。偽物のまつ毛のせいでいつもより重たい瞼は、自分の瞬きの回数が多いのをしっかりと僕に教えてくれます。  「香月さん、お願いです。これ解いてください。ね、香月さん。もうき……つ」  「駄目だよ将生。解いたら、つまらないよ。すぐにイっちゃうでしょう。せっかくだから、長く楽しまなきゃね」  言われている意味が理解できません。進行方向が通行止めです、イきたいのに道がないのです。慣れない偽物の長い髪が身体をチクチクと刺激して、痛いです。  もう全部取り払って、投げ捨てて、いつものように香月さんに溶かしてほしいと思うのは駄目なのでしょうか。  香月さん、早く、早くと腰が浮き上がっているのが見えませんか?  「もっと、香月さんを僕にください……」  「そんな殺文句を将生に言われる日が来るなんてね、覚悟してよ。それなりの事はしてもらわなきゃね」  左右に大きく開かれた脚の間に冷たいローションが大量に垂らされ、ぐちゃっと音がしまっす。身体の中にも大量のローションを入れられ、もういつでも、何でも入りそうな状態です。  「はや……く、香月さん」  「ん?早く?何が?何をどうして欲しいの?」  ああ、意地悪です。どうしてそんな顔をして、分からない振りをするのでしょうか。  「い……挿れて……ください」  自分でもこんな台詞を自ら言う日が来るとは……もう完全に違う世界で生きています。それでも一刻も早く隙間を埋めつくして欲しくて、身体中が悲鳴を上げています。

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