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第43話 メイドカフェ

   あれから結局三日入院しました。そして退院した翌日、大学で柾木さんに声かけられました。  「この前は悪かったね、まさか本当に具合がわるくなってたなんて思わなかったからさ。でも、人が泡吹いて気絶するなんて初めて見たよ」  くすくすと、笑ってる。この人は……本当に、決して悪かったとは思ってないでしょう。  「で?あの続きはヤらせてもらえないの?」  「無理です、柾木さんとはできません」  「あのさ、お互いマサキで面倒だから翔太って呼んでよ」  「翔太さん、あの。香月さんの…ことなんですけど……」  「え?何?何?香月さん俺の事何か言ってた?」  そんなに露骨に嬉しそうな顔されても困ります。  「いえ、香月さんのストーカーって本当ですか?」  この人には直接的に言っても通じるかどうかわからないけれど……。  「え?ストーカー?なんだそれ、嫌だな、熱狂的なファンって言ってよ。綺麗な人はみんな好き。特に香月さんは顔も身体も好み」  それ返答になってませんが。  「だけど、やっぱり画面の向こうじゃねえ、お互い気持ち良い事してなんぼでしょ。一度お相手願いたいと思ってるだけだから」  「お相手って……」  「なあ、やっぱり香月さんってセックス上手いだろ、良いなあ将生」  いやいや、羨ましがられる事じゃありませんから、それとも羨ましがられて正解なのですか?良くわからなくなっています、最近……。  「ところでさあ、学祭で俺らのゼミ、メイドカフェやるんだけど手伝ってくれない?どうせ部活とかも入ってないんでしょ。暇でしょ?メイドさん足りなくて困ってんの」  相変わらず独断的で独裁的。ところでって……一体そんな話どこから出てきたのでしょうか。  「……無理です」  「OK、じゃあ衣装合わせ行こうか?」  はい、いつもの通り人の話は聞いていまんせんね。一度で良いからまともな会話をこの人としてみたいのですが、きっと無理でしょうね。

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