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第44話 ミスコン
「ウオッホ可愛い。何年の誰だよ、紹介しろよ」
うおっほって……ここは動物園でしょうか。そして一番肝心な事ですが、僕はどこからどう見ても男だと思うのですが。
「ねえ君さあ、学際のミスコンに出るんだよね?」
「遠山、そいつ男だけど」
そうです、翔太さん言ってやってください。
「んー、男でもこいつならいけそう」
そこの遠山さんというお方、コメント間違っていますよ。
「ダメだよ」
あ、翔太さんがまともなコメントを。
「……俺だってまだヤらせてもらってないから、遠山はその後ね」
やっぱりまともじゃありません。それとも僕の感覚がおかしいのでしょうか?もう迷子です。頼むから誰か教えてください。
僕の頭の中は「貞操の危機」という言葉で、いっぱいです。
男の子として産んでくれたお母さん本当にごめんなさい。僕は多分間違った道を邁進しているようです。
「なあ、ちょっと確認させてくれない?」
ふーっ、ふーっと鼻息の荒いゴリラのような人が近づいてきます。
壁に押し付けられてスカートの下から手が入ってきました。
脚をつつっと、撫でられ「んっ」と声が出てしまいました。
「え、本当に男か?」
スカートが捲りあげれられてしまいました。
「ああ、本当だ。男か……惜しいなあ」
「遠山っ!俺が先だって言ったろ」
あのすみません、先とか後とかありませんが。できれば皆さんにご遠慮いただきたいと思っています。
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