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第48話 じゃがバター

   鎖骨のところ舐められて、もう観念しました。  下手に抵抗しても痛いだけ、そんなこと十分に承知しています。だから、身体から力を抜きました。これから先は、吐き出すための儀式だと考えることにします。  何かいつもとは勝手が違います、そう思ったらカメラがありません。あれ、これが普通なのですよねと、おかしくなって、くすっと笑いました。  何か言われててますが、全くわかりません。  「ごめんね、何言われてるのかわかんなです」  一応伝えておきました、無駄でしょうけれど。  どうせならこんなとこじゃない方が良いです。床は冷たいし、痛いし。シャワーもありませんしねここ。  盛ってたと思ってたジェフは、抵抗を止めた俺の身体を抱きしめて何故か泣き始めました……どうすれば良いのですか?  携帯を出して香月さんを呼び出しました、僕じゃ話を聞くなんて無理ですもの。事情をかなり端折って説明しました。まさか強姦されそうでした、裸ですとも言えません。  「はい」  携帯を渡して香月さんに話をしてもらいました。しばらく香月さんに電話で訴えてたジェフから携帯電話を渡されました。  『将生、もう大丈夫だから。服着てそこで待ってて、俺が迎えに行ってやるから』  あれ、どうしてかバレてしましました、服着ていない事。  ガチャガチャとドアの開く音がします。  「あれ、もう済んだんだ?早かったね。ちょっと良いとこ見れるかなって思ってたんだけど、戻ってきたら静かだったからさあ」  「いい加減にして下さい。全く人を何だと思ってるんですか?」  「えーっと、将生君?怒ってる?…みたいだねぇ。あ、たこ焼きにジャガバター付けるから。それで勘弁してね」  ジェフは柾木さんに飛びつくように抱き着くと、なにか喚き始めました。  「面倒だなあ、香月さんと顔が似てるから付き合ってやったのに」  唖然として何も言えませんでした。翔太さん、筋金入りです。周りの空気は絶対に読みませんってやつです。何言っても無駄ですねこれは。

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