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第49話 後夜祭

 「将生、お前……今度は何に巻き込まれてんの?」  呆れ顔の香月さん……。  ですよね、僕も流されやすくてお手軽だと思います。  「将生連れて帰るよ」  香月さんが、そう柾木さんに声をかけると。ジェフに乗っかられて動けない柾木さんが驚いた顔をした。  「えーっ!将生、香月さんとこの人交換して!」  翔太さん、何を物々交換しようとしていますか?無理ですよね。  「香月さん、ありがとうございます。本当にいつもごめんなさい」  「ところで将生、何でまた女装してたの?」  「えと、あの……もうすぐ学祭で、そのメイド役のお手伝いを頼まれて」  「駄目だから」  「えつ?」  「将生は俺のものでしょう。俺以外に可愛い笑顔振りまくの禁止だから」  えっ、そうなのですか?じゃあ止めます。  嬉しいって思う僕はもう完全にアウトですよね。  「あの学祭、良かったら一緒に回りませんか?」  確か、香月さん学校とか回りたいって前に言ってた気がします。  「本当?誘ってくれて嬉しいな、じゃあ行くよ」  「あの、後夜祭で花火が上がるんです。2人で一緒に見たいなって」  つい恥ずかしくなって赤くなってしまいました。  「もちろん、楽しみにしてるよ」  そう言って香月さんはぎゅっと僕の手を握ってくれました。  お母さん!あなたの息子は、たった今男性に告白しました。  ごめんなさい。  ……でもきっと僕の幸せが一番ですよね。 [学園祭 おしまい]

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