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第51話 ポップコーン
男二人で遊園地ってどうなのかなと思っていたけれど、男性のグループも結構多いですね。
二人っきりが多いかと問われれば、そうでもないですが。
夢の国に登場する大きな耳のキャラクターの帽子をかぶせられました。あの……これ買っていただいてなんですが、赤い水玉のリボン付がいてます。
もしかしなくても、女子用ではありませんか?香月さん……。
「あれ!あのポップコーン食べたかったんだ。ポップコーンなのにキャラメル味ってすごいよね」
子供みたいにはしゃぐ香月さんに嬉しくなります。
「そういえば、この前のジェフ何て言ってたんですか?」
「ああ、別れ話を持ち出されたらしくて。別れたくないと迫ったら、代わりにって将生を差し出されたって。ついやけになって申し訳ないと言われたよ」
ええっ?僕はまたあの人の被害者なのですね?
「あの、征木翔太さんですけど、香月さんと付き合いたいみたいなんですけれど……」
とりあえずは伝えておかないといけません。
「……え、何言ってるの?まさか恋人に他の男斡旋されるとは思わなかったな」
「こっ、恋人ですか??」
「何を驚いて、大きな声出してるの?デートでしょこれ」
そうだったのですね。恋人なのですね……え?
あの……それはいつからなのでしょう。
「あの、恋人って。僕の事でしょうか?」
おずおずと聞いてみると、破壊力マックスの笑顔で微笑まれた。
「そう、将生が俺の恋人」
恥ずかしいけど嬉しいです。
ん?あれ?嬉しいって?何ででしょう。僕は男性が好きだったのでしょうか。初めて知りました。まあ、エッチな事は好きですけれど……あれ?好きなのかな?
「どうしたの一人で百面相して、可愛いね。んー何か将生を食べたくなってきちゃったな。一回ここ抜けよう、その辺のホテルにちょっとチェックインすればいい」
ひ、昼間ですよ。夢の国から違う意味での夢の国に行っちゃいますよ。良いんでしょうか僕の人生ってこんなので。
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