52 / 122

第52話 パレード

 香月さんに連れていかれたのは、確かにホテルではありますが、その手のホテルではありません。子連れかカップルか……あれ…?もしかして、僕たちもまさかのカップルなのでしょうか。  「ん?将生、どうしたの。緊張感してる?」  ええ、緊張しています。周りの目が怖いです、昼間から男二人でチェックインして何をするんでしょうね。まあ、する事はきちんとするんですけれど。  鍵を受け取った香月さんが嬉しそうに耳元で囁いてくれます。  「パレードの見えるレストラン予約取れたから、そこでゆっくりと食事しながら夜のパレードは見ようね」  未だ午後四時前ですが、後数時間は部屋にいるって事ですね。そうですか……。  それより囁く必要はあったのでしょうか。平日の夕方、偶然空いていたテーブルは僕たちのためですねきっと。  案内された部屋は本当に可愛らしくデザインされていて、デートでこんなところに泊まれるなんて素敵だと嬉しくなりました。  「あ、そうだ。ホテル代やチケット代、いくらですか?」  今日はまだ財布を開いた覚えさえないのです。  「将生は、何も気にしなくていいよ。俺に払わせて。そのくらい稼いでるし、他に使うところもないんだし」  この業界ってそんなに儲かるのでしょうか、それとも沢山出演しているのでしょうか。後者はなんだか嫌です。  「ね、もう準備に掛からない?」  ん、あれ?香月さんの目が急に輝きだしました。きらきらではなくぎらぎらですが、毎回のことなので、この後の展開最近は読めるようになってきました。  「先に準備してて、俺はちょっとコンビニね。将生に辛い思いさせたくないからね。」  そう言うと香月さんは出て行きました、何を買いに行ったのか想像つくようになってしまった自分が悲しいです。コンビニだとベビーオイルかな……。  そして準備にも手馴れてしまっていて、ええ、もう既につんでいます。

ともだちにシェアしよう!