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第62話 ナメクジ
僕を慰めてくれるはずの香月さんは、何故か楽しそうに僕の身体中に何かを塗っています。ぬるぬるしていますね……これはさっきのローションでしょうか?
「香月さん?何を遊んでいるのですか?」
「このローションにはね、皮膚から吸収するタイプの催淫成分入ってるからさ、将生をもっと気持ちよくしてあげようかと思って」
それはまさか違法薬物ではありませんよね。
「すっごくぬるぬるしていて、俺も将生の肌を触っていて気持ち良いよ」
くすぐったくて、熱くて。もう身体が捩れます、くねくねと動いてしまいます。
「将生、ナメクジみたい。動くとローションの線が残るよ」
くすくすと笑う香月さんは楽しそうです。
「もう、もう頭が変になりそうです。助けて下さい、香月さん」
何故こんな無茶をする人の事が好きなんだろうと思うけれど、もう気持ち良い事に流されてわけもわからなくなってます。もしかすると僕は快楽に弱いのかもしれません。今更ですが気がつきました。
「見てたらすっごいヤりたくなってきた……そろそろ良いのかな」
さっきからそれをお願いしてますよね。香月さん、わざとでしょうか?確信犯ですよね。
「香月さん、早く挿入れてください!」
自ら四つん這いになって臀部を差し出してしまいました。もう待てないのですから、仕方ありませんよね。
「おお、良い絵だ!カメラ、カメラ回せ!」
監督の声が聞こえていますが、もう何でも良いです。早く早く終わらせてください。
ぐっと質量をもって身体の中に侵入してくる香月さんに満たされて、気持ちよくて、涙がでてきました。本当に欲しかった物が与えられて、飢えを一気に解消してくれています。
与えられた刺激が愛しくて、溢れる涙が止まりません。
「将生、腰揺れてる。エロくていいよ、本当に可愛いな」
可愛いと言われて、鳩尾に何故か熱いもの広がっていきます。僕は香月さんが本当に好きみたいです。もうどうなっても良いです、ただずっとこの腕の中にいたい、そんなことを思ってしまいました。
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