67 / 122
第67話 ダイニングルーム
香月さんのお手製の美味しいパスタで、心もお腹も満たされました。気持ちが落ち着いて、少しだけ眠たくなってきたような気がします。だって、あれだけ体力を使ったのですから、もうくたくたですよね。うん。
「ん?どうしたの将生?誘っているの?」
「えっ?誘ってって!違います」
「ふーん、そうなの。何だか気持ちよさそうな顔をしているからさ」
「お腹がいっぱいなだけです」
「そうなのか、満腹の時もあの時と同じように気持ちよさそうな顔をするんだね。なんだかもっとって煽るような顔をしてる」
「すみません、何だか眠たくなってきてしまったのですが」
「そう?じゃあ寝室に案内するよ。可愛い恋人をダイニングで眠らせるわけにはいかないからね」
「大丈夫です、もう帰りますから」
そう言うと香月さんが、驚いた顔をしました。
「えっ?ここが今日から将生の家だよ」
今日、案内するという話でしたね。どうして案内されたのかさえもう分からなくなってきましたが。そしていつの間にか、今日から同棲するに変更されいます。勝手に頭の中で自動上書きするシステムを香月さんは採用していらっしゃるのですね。
「でも、荷物とかありますし。そんなに急に……」
あ、馬鹿だ僕。何を、一体何を言っているのでしょう。自分に呆れます、これでは同棲することを前提で僕も話していますよね。
まるで荷物取ってこれれば大丈夫です、ここに住みますと、言ってるようなものですね。
「そうかあ、じゃあ一眠りしたら一緒に荷物を取りに行こうね」
やはりそうなりますよね。結局、手を引かれてダイニングから連れ出されてしまいました。どうやら今日は、というよりこれからずっと一緒のようです。
ともだちにシェアしよう!