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第90話 オリーブオイル

 とにかく話を逸らさなくてはいろいろと危機です。  「あ、写真はどうなりました?パッケージ用の写真はもう終わったのですか?」  「もちろん、すっごく可愛い顔のやつが撮れたよ。見てみる?」  見せてもらった写真には、気持ちよさそうに眠っいている僕。……これは完全に寝てますよね?結局、眠った後に撮ったやつにきまったのですね。でしたら、それまでの撮影は何だったのでしょうか。  それにこの写真、何か薄く色のついた液体をまとっています。  「あの……これは何のパッケージですか?」  蝶々だとか、シャクトリ虫だとか、変なものを使って撮影しましたが、こんな色の液体は見覚えありあません。  「新しいラブローションのパッケージだよ」  ナメクジのやつですね、だからかなのですね、身体にキラキラした薄い黄緑色の液体かかっているのですね。  「またこの液体を使ったのですか、だから僕は変な気分に?」  「違うよ使ってないからね、前回ユズが試作品を全て使い切ったでしょう。まだ試作段階だから、渡されたのはあれで全部。それはオリーブオイル、ほらこれ見てキラキラ感があるだろ?」  確かに昨日、全身にくまなくかけられました。あれは試作品だったのですね。人体実験でしょうか、試作品そんなにかけては駄目ですよ。  それより僕は、何をかけられているのでしょう。オリーブオイルの上から黒みつですね。もう上手にお料理できましたというレベルです。  「兄貴、そろそろ遠慮してくれる?これからは俺と将生だけの甘い時間だから」  香月さんがぐいと引っ張ると、つるんと滑ってベッドの上にぽふんと落ちてしまいました。  「んんっ、将生ぬるぬるしてる。それもなんだか良いね」  それかけたの香月さんですが。脇腹を指先で撫でられ背筋がぞくそくとします。  「香月さん……」  「将生、今は俺だけを見てくれる?」  上から乗りかかるようにして押さえられました。視界には香月さん以外何も見えません。  「俺は?ユズ、貸してくれるって言ったよね?」  「やっぱり駄目。さっきの話は無しにさせてもらうね。代わりに俺のストックは全部あげるよ、連絡先を後で渡すから。やっぱり将生だけは駄目だな」  きゅんってしました、男の子ですが。いやきゅんとしました。手を伸ばして身体をぴったりあわせると、ぬるっと滑って……ああ、気持ちいいです。  黒みつを舌先で舐めあげられて「ん……あぁあ……つ」とおかしな声が出てしまいました。  これ癖になったらどうしましょう?

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