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第94話 Tバック
これはいわゆる......Tバックと呼ばれるものですね。こんな下着を身につける日が来るとは......涙が出そうです。
「将生、寝室にいるのか?」
まずいです、香月さんです。早くさっきのスキニーを履かなくてはいけません。あ、あれっ?ありません、おいて来てしまいました。一巻の終わりです。
寝室の扉が音を立てて開きました。
「将生?一体何をしてるんだ!?」
香月さんは怒った顔をしています。そうなりますよね、そうですよね。でも浮気ではないのです、本当です。
あれ?浮気になるのかと考えるという事は、やはり僕は香月さんと付き合っているということなのでしょうか。
「その格好……オミっ!おまえ将生に何をした!」
正確には僕の服を脱がせたのはオミさんではありません、お醤油です。
「俺じゃ無いよ、将生が自分で脱いだんだよ。ねえ?」
誤解を生む表現はやめて下さい。
「自分ですけど、自分じゃないですっお醤油が……」
もう何を言い訳してるのかわかりません。パニックです!
「お醤油を落として、頭からかぶってしまってシャワーと服を借りたとこです。香月さん!僕はこんな......こんなTバックの下着は持ってません!」
必死になって状況を説明しようと、シャツを捲り上げでしまいました。凍りつくようにピタッと動きが止まった双子の視線がじっと一点に集まるのが解ります。
「わぁっ!!!」
慌ててシャツを押さえて床に座り込んでしまいました。恥ずかしすぎます。僕は一体何をしているのでしょう、涙がでそうです。
「将生、それねタンガって呼ばれているんだよ。覚えていて、似合うよ」
オミさんが優しく言ってくれます。タンガですか、そうですか別にどっちでも良いです。
「これ次の撮影に使うやつだから、後でユズに弁償してもらわなきゃね」
「兄貴、次の撮影って下着なの?」
香月さん、「兄貴」に戻ってます。お怒りモードはなぜか終了ですね。というより声が嬉しそうなトーンになっているのはどうしてですか。
「そうだけれど?なんで?」
「将生のおし……いや、何でもない。他の下着ってないの?」
今「お尻」って言いかけましたよね。更に、他のはって?「ほ、か、の」とおっしゃいましたよね。何をする気ですか?ねえ、香月さん!
「お、見たい?ちょっと待ってて!」
「いやだぁあああ」
叫ぶ僕の声は二人の耳には届きません。
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蛇足
Tバックはこれは和製英語で海外では通じません、
TangaもしくはBrazilian underwear と言います。
これより紐の細いものをG-stringsと言います。
どうでもいいですね。wwww
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