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3話*

 そうして、明はエルの顔に近付けると、拒絶の言葉を聞きたくなかったのか性急にエルの口を塞ぐ。意外と柔らかい感触の唇に驚きを隠せないでいるエルに対して、明はエルの柔らかい唇を食むようにして深く口付けてくる。エルは口の中を開けない様に閉じていたが、目を細めた明がそっと手を伸ばすと、エルの背中に生えている天使の羽の付け根に触れる。途端に、エルの身体に電撃が走りびくんと跳ねさせる。 「ひゃ、っあ!」  突然の快楽の刺激に、慣れていないエルは戸惑ってしまい甘い声が漏れ、閉じていた口を開いてしまう。エルの口が開いた瞬間を目ざとく見つけた明は、すぐに自分の舌を捻じ込ませた。舌を捻じ込ませて、互いの舌同士を絡ませ合い、強く吸い付いていく。初めてされる深い口付けは甘くて酔いしれてしまいそうになり、エルは思わず頭がくらくらとして、サファイアブルー色の瞳は潤み出した。  呼吸を奪われそうになる深い口付けに、エルは懇願する様に、縋る様に明に視線で止めてと訴えるが、明は目を細めて愉し気に笑むだけで、エルの咥内をじっくりと、ねっとりと味わうように貪っていく。ちゅっちゅっと啄むようなリップ音と、ぐちゅりとお互いの唾液が混じり合う卑猥な音が静かな教会に響く。深く口付けをしている間も、明はエルの背中に生えている天使の羽の付け根に触れる事を止めない。天使の羽の付け根に触れられる度に、エルの身体はどんどん熱を持ち始めて、エルの自身が硬く勃っていくのを感じた。明から与えられる快楽に対して、身体が感じはじめている。慣れない快楽の熱に、エルは翻弄されていた。  ようやく満足したのか、明が口付けを止めてゆっくりと顔を離した。エルの顔は紅潮していて、ぜぇぜぇと息を吐き出して呼吸を再開する。息を吸っても吐いても、身体の中に沸き上がった熱がおさまる事は無く、むしろ燃え上がっていく一方だった。 「やはり、天使であるお前はここが弱点か」 「ゃ、あっ!や、やめ…っ、さわらないで…っ!」  身動きが取れないエルの身体を強く抱き寄せてから、エルの弱点をなぞるように触れたりして性感を煽る。天使にとって、天使の羽の付け根は敏感で性感帯になっていた。エルの懇願を聞く訳もなく、明はエルの首筋に顔を埋めると、紅い舌を見せつけるようにして舐めていく。首を舐められる度に、甘い刺激が身体の中を駆けあがり、エルは甘ったるい声が漏れてしまう。ちゅっと、首に強く吸い付いて、エルの色白の肌に淫らな紅い花を咲かせていくのだった。 「お前の肌は好ましい」  意地悪気に笑う明のアメジスト色の瞳と合ってしまい、さらにエルの身体は紅潮してしまう。首に口付けを落としている間、明はエルの真っ白なキトンに手をかけると、淫らに脱がしていく。あっという間に、脱がされてしまい明に対して色白の肌を曝け出してしまう。その事に羞恥心が沸いてエルは首を横に振り、いやいやとむずがる様にするのだった。 「綺麗だ」  エルの華奢な白い身体を見て、どこか眩しそうに目を細めながら明は感嘆の声を漏らす。舌で首を吸い付いて舐め終えると、肌蹴られたエルの胸元に顔を近付けて、ふっと息を吹きかける。息を吹きかけられた途端、快楽の刺激がエルの身体中駆け巡り、「んっ…」と甘い声が漏れだしてしまう。そして、明は紅い舌をエルに見せつける様にすると、片方の薄紅色に色付いた乳首を口に含んで舐め上げた。 「や、やぁ!そ、そこ…なめないで…っ!」  突然、与えられる快楽の刺激に耐えられず、エルの身体は仰け反って逃げようとするが、明に強く抱き寄せられている為、逃げる事が出来ない。まるで、甘い飴玉を味わうかの様にころころと口の中で転がしていく。乳首を舐めている間も、もう片方の乳首を指で摘んだりこねくり回したりしていじめていく。そして、乳首に吸い付いたり、甘く噛んだりしていく為に、エルの喉からは、ひっきりなしに甘い喘ぎ声が漏れだしてしまっていた。 「ひ、っゃあ!あっ、んんっ…!」  思わずエルは縋る様にして明の頭にぎゅっと抱き着いていた。傍から見たら、この行為に対して強請っているように見える。明はそんなエルの様子を愉し気に見つめて残酷な宣言をする。 「イけ」 「ゃ、ぁああああ!!!」  空いた手でエルの弱点である天使の羽の付け根に触れる。その途端、与えられる強い刺激に我慢し切れなかったエルの身体は大きく仰け反り、エルの自身から精液が吐き出されてしまう。達するという事を知らないエルは、ぜぇぜぇと荒い息を吐きながらも、初めての快楽の刺激に、気持ち良さに酔いしれてしまっていた。とろんとした蕩けたサファイアブルー色の瞳で、思わず明の方を見つめてしまう。天使は快楽というものを知らない。故に、快楽に対して人一倍感じやすい種族でもあった。 「天使は快楽に弱いのか。……それとも、お前自身が快楽に弱いのかもな」 明は悪い笑みを浮かべながらも、そっとエルの腹に手をおいてなぞる様に触れる。 「……ああ、天使は毛が生えていないんだな」 明は感心した様にエルの下腹部をじっと見つめた。天使は人間と悪魔と違い、陰毛は生えておらず、まるで幼い子供の様につるつるとしていた。その事を指摘されたエルは、初めて恥ずかしいと言う感情を抱き、羞恥心から顔を真っ赤に染め上げる。明は愛おしそうに腹を撫でながら、エルの耳元に熱っぽく欲情した声で囁いた。 「ここに、俺の全てを受け入れてもらう」  その言葉にエルが大きく目を見開いて、戸惑った様に何か答え様として口を開こうとする。その前に、明はエルの口を塞いだ。そうして、明はエルが吐き出した精液を手でかき集めた。エルを膝の上に乗せる様に抱き抱えると、エルの肌蹴られて露わになった臀部に手を伸ばす。やわやわとエルの臀部を揉みしだく様にいやらしい手つきで触れられる度に、エルは「んんっ」と甘い声が漏れだして、全身で快楽を感じて情欲の炎を灯してしまう。臀部を揉む様に触れるのを止めると、エルの汚れを知らない閉じられた後孔に、明は精液をまぶした指を一本だけ、つぷりと挿入する。 「んっ、ぁああ……!!」 「……っ、もうとろとろに蕩けているな」  ぐちゅぐちゅと指を一本挿入した明は、興奮した声音でエルに囁く。エルの後孔は既にとろとろに蕩けていて温かく、指をやわやわと飲み込んでいく。きゅうきゅうと締め付けてしまう。明は指を増やしていくと、的確にエルの弱い所を責め立てていく。天使は人間と同じ身体の構造をしているので、前立腺を見つけると擦り上げながら広げるように動かしていくと、エルは快楽を感じて身体を仰け反らせた。エルが甘い喘ぎ声を上げながら、いやいやと首を横に振って快楽の刺激を逃そうとするが、身体の中に篭った熱が溜まっていくばかりで、またエルの自身が勃起していくのを感じた。ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら、エルの後孔を弄り回していた明は、ゆっくりと指を三本抜いた。エルの閉じられた後孔は、くぱぁと物欲しそうにひくついていて、淫靡に魅せる。 「そろそろ、頃合いだな」  額の汗を拭いながら、性急に明は服を寛げると明の自身を取り出した。エルの痴態を見て、既に固く大きく勃起していて、エルの後孔に擦り付ける。エルは明の自身の熱と大きさに驚いて目を見開いた。天使は決して、人間や悪魔と性行為をしてはいけないとずっと言われ続けてきた。挿入されてしまったら、後戻りは出来ない。けれど、身体は明を求め始めていて、行為に期待している自分がいる事にエル自身が戸惑っていた。そんな戸惑っているエルを見て、明は薄く笑うと端正な顔をエルに近付ける。 「俺の全てを受け入れろ」  明がエルに悪い笑みを浮かべて告げると、逃がさない様にすぐさまにエルの口を深く塞ぐ。そして、エルの後孔にゆっくりとまるで教え込むかの様に、明の自身がずぷずぷと挿入されていく。 「んんんっ!!!」  口を塞がられて、エルの喘ぎ声や悲鳴が飲み込まれてしまう。指とは比べ物にならない圧倒的な質量と異物感を体内で感じながらも、まるで明の自身をやわやわと食む様にエルの体内は受け入れてしまい、飲み込んでしまう。 (あきらさんと……性行為、しちゃった……)  その事実にエルは戸惑って動揺するが身体は歓喜に震えていた。明は目を細めて口を離すと、エルを抱きかかえながら、対面座位でゆっくりとした動作で律動を開始するのだった。 「ひゃ、ぁあああああ!!!やっ、う、うごかないで……っ!」  下から突き上げられる度に、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音がエルの後孔から聞こえてくる。その事に羞恥心を感じてエルは顔をさらに真っ赤にさせ、快楽の気持ち良さに耐え切れず涙をぽろぽろと、サファイアブルー色の瞳から零してしまう。 「かわいいな」  エルの髪を優しい手つきで撫でながら、額や頬にあやすように明は口付けを落とす。エルの弱点である天使の羽の付け根に触れながら、ぱんぱんとエルの前立腺を擦りあげながら奥を突いていく。奥を突かれる度に、エルの身体は仰け反って甘い嬌声を喉からひっきりなしに出てしまい、我慢できずに喘いでしまう。羽がばさり、ばさりと羽ばたく度に、天使の羽がふわり、ふわりと教会の床へ落ちていく。人がいない静かな教会で、神に見られながら背徳的な行為している事に、ますます興奮して昂ってしまうエルがいた。  そして、エルの腹が薄く光り輝いたかと思うと、真っ白な淫紋が浮かび上がってきていた。天使は、人間か悪魔と性行為をしてさらに精液を体内に出されてしまうと、天界から追放されてしまうという掟があった。エルは、もう自分は天界に戻る事が出来ない事を悟る。明によって純潔を奪われてしまったのだから。けれど、不思議と悲しい想いはしておらず、むしろ、心は既に決まっていた。怒涛の様に与えられる快楽にエルは喘ぎながらも、自ら明に対してぎゅっと抱き着いた。そして、明の唇にエルは拙いキスをしたのだった。 「あ、あきらさん……俺、あきらさんがすきです……っ、小さい時から、あなたのこと、ずっと、見ていました……っ」  ぎゅっと強く抱き着いて、せめて、自分の想いが伝わります様にと願いながら、エルはサファイアブルー色の瞳で明のアメジスト色の瞳を優しく見つめる。明は大きく目を見開いて驚いた表情で、一旦、動くのを止めた。そうして、エルのサファイアブルー色の瞳をじっと見つめると、苦々し気に口を開いた。 「……俺は、金を稼ぐ為なら犯罪行為にならない程度までした男だ。俺の手は汚れているし、何も知らない無垢なお前をこれから汚すつもりだ」  そう告げる明の顔は、何かを必死に我慢するかの様に、悲し気に歪んでいた。エルは、悔し涙を流していたその後の明の事を何も知らない。それでもエルは、そっと天使の羽で明を優しく包み込むと、明の頬にそっと触れる。 「それでも、明さんが優しくて繊細な人だって言うのは、俺は知っています。だから、俺をあなたのものにしてください」  エルの告白に、明はしばらく目を見開いて黙り込んでいた。やがて、「そうか」と柔らかい表情を浮かべながら、短く告げると止めていた律動を開始する。そして、エルの唇に愛おしそうに深い口付けをしながら、ぱんぱんとエルの弱点を突いていく。そうして、明の自身が大きく勃起したかと思うと、エルの最奥にめがけて突き上げると、射精をしたのだった。 「んんんっ!!!」  エルが大きく身体を仰け反らせながら、エルの自身から白濁をまき散らした。そうして、エルの腹の淫紋が強く光ったかと思うと、しっかりと真っ白な淫紋が腹に刻まれ、天使の輪っかは既に無くなっていた。明の色に染まる様にして天使の羽は、さらに真っ白に染まって光り輝くのだった。残された天使の羽で、明を優しく包み込む様にして、そっと抱きしめていた。搾り取られるようにきゅうきゅうと締め付けられて、最後の一滴まで出し切ると、明の自身をゆっくりと引き抜いた。エルの後孔からは、白い精液がこぽりと零れ落ちそうになっていて、卑猥に魅せる。そして、明は悪い笑みを浮かべながら、エルの腹の真っ白な淫紋を愛おしそうに撫でる。 「これで、俺のものになったな」  明の端正な顔を見つめて見惚れていると、エルは照れる様に笑みを浮かべた。そうして、明はエルに向かい口を開いた。 「お前の名前を教えろ」  ぽかんとした表情を浮かべながらも、エルはそういえば自分の名前を名乗っていなかった事に気付いて、はにかむ様に笑みを浮かべる。 「エルです。…これからよろしくお願いします、明さん」 「よろしくな、エル」  アメジスト色の瞳とサファイアブルー色の瞳が交差すると、お互いに求める様に深い口付けをしたのだった。満月が浮かぶ夜空の下、白薔薇が咲き乱れる教会の中で、神父と天使の秘密の情事は続いた。

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