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第22話

あれだけ大口叩いたのに……。 「ね、寝れない……」 とにかく早く布団に寝転びたくて、いつもより早い時間に寝たのが悪かったのかな。まだ僕の頭は起きたいってことか。なら仕方がない。 消したばかりの電気を付けて、スマホを弄る。ゲームもこれと言ってハマっているアプリは無いし、千花ちゃんと話そうと思いメッセージアプリをタップしたが、そう言えばこの時間はドラマがあるから邪魔しないでとか言ってた気がするな。 やることも無いし、眠くもならないし、一人ってこんなに暇だっけ? 僕はずっと一人だったが、ここまでやる事がなくて暇だとは思ったことがない。 暇すぎるので、部屋を出てリビングに行ってみた。まだ明かりは付いていて、朔夜さんが居るのだと分かる。 「ん?どうしたの?」 「まだ眠くなくて。眠くなるまで一緒に居ていい?」 「ん、いいよ。おいで」 少しだけ空いた扉の隙間から朔夜さんを見つめていると、すぐに気付いてくれた。座っているソファの隣を開けてくれて、そこにちょこんと座る。 朔夜さんもドラマ見てたんだ。好きな女優さんが出てるとかなのかな。千花ちゃんもたぶん同じドラマを見ていて、俳優さんがかっこいいとか言っていた。男の人が登場しすぎてどの俳優さんなのかは分からないが。 「これ面白いの?千花ちゃんも見てるんだって」 「面白いっていうか、こういう世界もあるのかなって思いながら見てた」 「へー、どんな話?」 「この前律がショックで泣いてたやつ」 は!?あれか!!あの衝撃のドラマか!!みんなこのドラマを面白いと思って見てるの!? じゃ、じゃあ、千花ちゃんも……!?あの千花ちゃんが!? ぼ、僕が子どもなだけなのかな……。みんなこれが普通なのかな……。 ドラマをチラ見していると、やっぱりキスシーンが多いし無駄に長い。 口をぱくぱくさせているとけど何してるんだろう。金魚みたい。 それにベッドに寝転んで、レスリングみたいな事してる。なんでベッドの上でレスリングしてるんだろう。 みんなこれが面白いんだよね……? 「これ何してるの?なんでレスリングしてるの?」 「レスリング……?」 朔夜さんは不思議そうに首を傾げた。 これってレスリングじゃないのかな。2人でベッドでバタバタしてるのに。あ、でもレスリングは服脱がないか。 あれ?服って脱ぐ必要あるっけ? 「律ってそういう事あんまり知らない……?」 「そういう事?」 「赤ちゃんの作り方って分かる?」 「作る?コウノトリさんが運んでくるんでしょ?」 僕はそう習った。お母さんがそう言ってたから、てっきりそうなのかと。 というか、赤ちゃんって作れるの!?実験的な感じで!? 試験管やビーカーを使うのだろうか.......。 だとしたら、僕もそうやって生まれてきたの!?

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