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第35話

さっきまでたくさん寝てしまって、全く眠くない。とてもピンチだ。 でも今日からまた朔夜さんと寝れるから嬉しい。抱き締められて眠るのが安心してとても好きなのだ。 朔夜さん的には僕のこと湯たんぽとしか思ってないのだろうけど、それでも嬉しい。 「おいで」 「えへへ、朔夜さんに抱きしめられるのすごく好き。安心する」 ベッドの上で抱きしめられる。嬉しい、大好き。今だけ、朔夜さんは僕のものなんだ。 朔夜さんの腕の中にいると、心臓がトクトク動いているのが分かる。この音落ち着くかも。 よしよしと頭も撫でられたら落ちない奴はいないだろう。 既に僕はキュン死しそう。 「キスしたいな」 「え、」 「だめ?」 それは反則だよ!そんな可愛く「だめ?」なんて聞かれたら拒否できないじゃん! 「.......いつもは何も言わずにするクセに.......」 「その方がよかった?」 クイッと顔をあげられ、ちゅっと唇がくっ付く。嫌じゃない。好きな人にキスされるのはすごく嬉しい。 だけど、どういう理由で僕にキスするのかは分からないままだ。聞きたいけれど、聞くのが怖い。 「キスされるの嫌じゃないの?」 「.......ん、嫌じゃない」 「じゃあもっとしていい?」 「.......ん、」 聞くのが怖いから、今はこのままでいい。幸せな時間が終わるのは嫌だから。 だから今は流されたい。 きゅっと目を瞑ってキスを待つが、中々来ない。そっと目を開けると、ムフフと笑う朔夜さんが。 なっ!騙された!! 「律のキス待ち可愛くてつい見つめちゃった。ごめんね」 「恥ずかしい.......!もうキスしないし.......」 「ごめんごめん、機嫌治して?」 穴があったら入りたい。好きな人にキス待ちの顔を見られるなんて、すごく恥ずかしい.......! 顔を真っ赤にしてむくれていると、よしよしと抱き締められた。 怒ってるから!と朔夜さんの腕から逃げてベッドの端へ移動する。 「律.......、もう俺の事嫌いになった?」 「なんでそうなるの! 嫌いになんてなってな.......んん゛!?」 それは違うと振り向くと、朔夜さんの顔が目の前にあった。そして唇を奪われるのは一瞬で。 ちゅーっと長いキスに耐えかねて抗議しようと口を開けると、待ってましたと言わんばかりに舌を突っ込まれる。この前もしたやつだ.......! 「ふ、ぁ.......ん、ぁ.......っ」 チュク、チュク、とお互いの舌が絡み合いえっちな水音が響く。逃げれないように後頭部を手で抑えてるのズルい。

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