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第54話

店内マップを見つつ、ブーケを作ってくれるというお店へ向かう。 2階の服屋さんの隣のはずなのに.......。 「あれ、閉店のお知らせだって.......」 「え、嘘.......」 服屋さんの隣はシャッターが閉まっている。そして貼り紙に『4月いっぱいで営業を終了致しました』と書かれている。 千花ちゃんは固まったまま動かない。 「ね、ねぇ、先にご飯食べない?気分転換しよう!」 「.......だね! よし!いっぱい食べるぞ!」 気分転換にご飯を先に食べようと誘うと、僕の手を引っ張って飲食コーナーに連れていかれる。いつもの千花ちゃんで安心した。 ショッピングモール内のファミレスに入り、ハンバーグを注文した。やっぱりファミレスといったらハンバーグでしょ!その考えは千花ちゃんも同じようで、ファミレスに入るなり「私ハンバーグ食べたい!」と言うのだった。 やはり土曜日のファミレスは人が多い。家族連れにカップル、飲食業って大変そうだなっていつも思う。バイトしてみたいけれど、僕にこんな大人数捌ける自信はない。 「千花ちゃんはさ、バイトとかしないの?」 「バイトかぁ.......。やってみたいとは思うけど、具体的にどんなバイトやりたいか決まってないしなぁ」 「んー、僕もそれ」 初めてのバイトだから、きっと迷惑をたくさんかけると思う。少しでも僕に向いてるバイトをしたい。 人見知りだが、人と話すのは好きだから接客業はやってみたいとは思う。喫茶店とかのバイトなら出来るかなぁ。 しばらくするとハンバーグが運ばれてきて、「いただきます!」と手を合わせて食べる。 熱いけどとても美味しい。しかもお手頃価格なのですごく助かる。 「ふぅ、お腹いっぱい!」 「だね!さて、どうしようか.......」 ファミレスを出て、歩きながら考える。他に花売ってるところってあるのかな。 先頭を歩いていた千花ちゃんが急に立ち止まったせいで追突してしまった。 「ねぇ、ここ入ってみない?」 「アンティークショップ.......?」 「私こういうのすごく好きなんだよね。元々お母さんも好きで」 目を奪われるほど素敵な店内。ここだけ別世界のような不思議な感覚になる。

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