近くのスーパーに買い物に行くらしいので一緒に行く事にした。 スーパーと言えど、朔夜さんと一緒にお出かけできるのは嬉しい。 「何飲んでるの？」 「タピオカだよ！朔夜さんも飲む？」 これが噂のタピオカか.......と恐る恐る飲んでいる姿はなんだか可愛かった。 僕もタピオカなんて飲んだことなくて、千花ちゃんが飲もう！と誘ってくれるまで飲もうとも思わなかった。だって黒いし、どんな味なのかも分からない。僕はそんな未知な物を好んで飲むタイプではないからだ。 率直な感想は、美味しかった。みんながハマって飲む気持ちはわかる。タピオカ自体に味は付いていないけれど、ミルクティーと一緒に飲むとすごく美味しい。もちもち食感がたまらないのだ。 「ん、意外と美味しい」 「でしょ！もちもち食感がいいよね！」 今回はミルクティーだが他にも色々な味があったのでまた飲んでみたいな。 ありがとう、とタピオカを返されて口を付けようと思ったが....... 間接キスだ.......なんか恥ずかしい.......。 「どうしたの？」 「いや.......間接キスだなって思ったら、なんか恥ずかしくて.......」 そう言うと、朔夜さんにぶふっと笑われた。な、なんで笑うんだ！ 「前も思ったけど、普段キスしてるのに間接キスは恥ずかしいんだね」 「うぅ.......、そうだけど！」 キスと間接キスってなんか違うんだよな。 僕の中では間接キスの方が恥ずかしいのだ。 だって朔夜さんの口に触れたものを僕も口に含むんだぞ！？なんか恥ずかしくない！？ 「そういう所も律らしくて好きだよ」 顔を赤くしていると、更に赤くなる事を言われてしまった。 たぶん弟みたいな存在で可愛いって意味だと思う。だけど、どんな意味であれ好きな人から「好き」と言われるとドキッとする。 そういう事は朔夜さんの好きな人に言ってあげたら良いんじゃないだろうか！ そうしたら無駄に期待しなくて済むし、こんな叶わない恋.......諦められるのに.......。