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第61話

6限目の授業は英語で白石先生が担当だ。 やはり見る分には美人だ。髪は綺麗な黒髪ロングでスタイルもとてもいい。胸も大きいし、今日は着ているシャツが少しキツそうだ。 男子生徒はこの時間、黒板ではなく白石先生の胸を見ているそうだ。 僕は全く興味がないけれど、これが健全な男子高校生なのだろうなと思った。 「じゃあ、ここの問題を春海くん。分かるかな?」 「.......分かりません」 まさか自分が当てられるとは思ってなくて気を抜いていた。しかもそれまだ習ってないやつだし.......。 白石先生はふふっと微笑んだまま、僕を見つめる。 なんか怖い。目が笑ってないとはこの事だ。 「普通は解けるわよ? 今までの授業をきちんと聞いて理解していたら、の話だけど。間違えた春海くんは授業が終わったらこの教材を図書室に直しておいてね」 「.......はい」 なんかすごい理不尽じゃないか?僕のことが嫌いなのは伝わってきた。 でも今のは僕にも問題がある。今までの授業をきちんと理解していたかと言われればそうじゃない。勉強不足だったのは自分だから、白石先生ばかりを責めることはできない。 あまり気にしないでおこうと、ひたすらノート作りをしているとチャイムが鳴った。 やっと終わった。白石先生が時々僕を見るのだが、その時の目がとにかく怖かった。必死に目を合わせないようにしていた。 「律、元気だしてね!あれは白石先生が悪いよ!まだ習ってないところだったし、それにあの言い方はないよね!」 「ありがとう。あまり気にしないようにしてる。僕図書室行かないと」 教卓の上に置かれた山積みの教材は想像以上に重かった。これ図書室まで運ぶの無理!! と思っていると千花ちゃんが半分持ってくれた。優しい。神だ。 半分でも結構重いのに、千花ちゃんは軽々持っているの不思議だ。

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