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第75話

行為後、体がベタつくので一緒にお風呂に入る。 この前はよく分からないままお風呂にぶち込まれ一緒に入った。抜いた後は一緒にお風呂に入る流れになりつつある。 改めて見ると、僕と朔夜さんの体は全然違う。 僕は骨と皮だけの不健康そうな体に対し、朔夜さんはしっかりしていて程よく筋肉も付いている。 僕も体鍛えようかな.......。 「律はもっと太った方がいいね」 「んー、でも最近よく食べてると思うんだけどなぁ。朔夜さんのご飯美味しいからいっぱい食べちゃうんだよね」 「太りにくい体質なのかもね。すごく細いから心配になる」 後ろから抱きしめられて、本当に心配そうな声でそう言われる。 最近は貧血もだいぶマシになったし、体調が悪い日も少ない。太らないけど健康になっていってる証拠だ。 チュ、とうなじにキスされ擽ったくて体をよじる。何度も何度もチュ、チュ、とキスされ擽ったい。 「痛っ」 首筋にチクッとした痛みが走り、朔夜さんの方を見た。何やら満足気に首筋を見下ろしている。何したんだろ、噛まれたというより爪の先っちょで抓られた感覚と似ている。 「痛かった。何したの」 「何もしてないよ。キスしただけ」 「絶対嘘だ。噛んだの?抓ったの?どっち?」 「どっちだろうね。 逆上せてきたし出ようか」 どっちなんだ! 答えを有耶無耶にされたままお風呂を出て、そのまま寝ようとしたらリビングに連れて行かれ髪を乾かしてもらう。毛先が少し濡れただけなのに.......。 朔夜さんは面倒見が良い。風邪引くからと言って髪も乾かしてくれるし、さっきみたいに自慰行為も手伝ってくれる。 これがスパダリってやつ?スパダリって何の略か分かんないけど、千花ちゃんと蛍ちゃんがよく言ってる。 「乾いた。寝るなら先寝ていいよ」 「ううん、待ってる」 「そう?」 髪を乾かす朔夜さんの隣に座り、ぼーっと時計が進むのをただ見ていた。 髪を乾かし終わり隣を見れば、スヤスヤと眠る可愛らしい子がいる。やっぱり寝たか。すごく眠そうだったのに俺を待ってくれると言うから急いで乾かしたけど、それも遅かったようだ。 軽い体を抱き上げベッドに降ろす。幸せそうに眠る姿が愛おしい。 「おやすみ律。好きだよ」

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