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第94話

無事家に帰り、やる事を済ませネットサーフィンをしていると、チャイムが鳴った。 チャイムが鳴るなんて珍しい、また宅急便かな? 「はーい.......」 ガチャッとドアを開けると、そこにはイケメンが立っていた。 階間違えたのかな? イケメンな男性も不思議そうな顔をしている。 「ここ、有馬ってやつが住んでるはずなんだけど.......」 「あぁ、そうですよ。有馬です」 「え?」 「え?」 理解できないと言った表情で僕を見ている。 朔夜さんのお友達なのかな?僕が「有馬」と名乗ったから混乱しているのかもしれない。 「圭介!もう来てたのか!」 「朔夜、この子どうしたの?弟居たっけ?」 すぐに朔夜さんが来て、圭介と呼ばれる男性が僕の事を不思議そうな目で見つめる。 弟に見えるかもしれないが、残念ながら弟じゃないのだ。 「今訳あって一緒に暮らしてるんだ。俺の恋人の律だよ」 「よ、よろしくお願いします」 「あぁ、よろしく。久我 圭介っていいます」 中に入り、朔夜さんが素早くお茶とお菓子を置いて、スーツを脱ぎに寝室に行ってしまった。 さっきから久我さんが僕のこと穴あくんじゃないかってくらい見つめてきてとても気まずい。 「朔夜は君のこと本当に好きなんだね」 「え?」 「跡を残したいと思えるほど、大切にされているんだと思うよ」 あ、首筋の赤い点々のことか.......。 確かキスマーク?って名前だったと思う。絆創膏を貼ると怒るから、家にいる時は外しているのをすっかり忘れていた。 「もうセックスはした?朔夜は手出すの早いでしょ」 「セックスって、なんですか?僕そういう知識全くなくて.......」 「セックス知らないの!? あ、じゃあこの漫画あげるよ。感想聞かせてね」 セックスが何なのか分からなくて聞くと、久我さんはとても驚いていた。だけど、カバンから黒い袋に包まれた本を渡されて、感想を聞かせてほしいと言われた。 この本を見たら分かるらしい。でも朔夜さんが居ない時に見てねって言われた。どんな本なんだろうか。 「ごめん、お待たせ。律に変な事教えてないだろうな?」 「全然。でも手出すの早いお前が我慢してるのはすげぇって思った」 「表出ろコラ」 久我さんは朔夜さんに連れて行かれてしまった。 仲良し、なのかな.......?

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