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第122話
***
それはあまりにも突然すぎた。
「明日から3日間出張に行く事になっちゃった.......」
帰宅した朔夜さんは、珍しくげっそりした顔をしていた。
何かあったんだろうとは思っていたが、まさか出張とは。しかも明日からと、とても急だ。
「本当は前田先生が行くはずだったんだけど、昨日から風邪でお休みだから代わりに行けって言われた.......」
「んー、仕事だし仕方ないよ」
「律と3日間会えないなんて死ぬ。拷問だ」
大袈裟に言い過ぎだ。僕も寂しいけど、朔夜さんほどでは無い。一人は慣れているから大丈夫だ。.......たぶん。
帰ってきてからずっと僕を膝の上に乗せて、抱きしめて「行きたくない」と言っている。僕だって行って欲しくない。だけど仕事だし、僕がどうこう言った所で変わらない。
「今日のうちに律をいっぱい補充しておかないと!」
「それもいいけど、出張の準備しなくて大丈夫?向こうに泊まるんでしょ?」
「.......やべ、完全に忘れてた」
スリスリと擦り寄る朔夜さんに制止をかけて、やるべき事を優先してもらう。きっと放っておいたらここまま乗せられて最後までしちゃいそうだ。
朔夜さんはキャリーバッグを探すと言って、別の部屋に行ってしまった。
3日間か.......。長く感じるけど、日中は学校へ行くし、帰ってきてからは家の事するから、結構短く感じるかも。
「よし、準備終わり!」
「え、早くない?」
「急いで詰めたからね。ほら、律行くよ」
「わぁ!」
荷物を詰めに行ったかと思えば、すぐに戻ってきた。本当にちゃんと出来ているのか?向こうに行って、足りないものがあっても知らないからね!
僕を軽々と抱き上げ、寝室まで連行されるのであった。
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