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第123話

次の日、起きるととても静かだった。生活音がない。 そっか、朔夜さん出張だ。明日は朝早くから出るって言ってたっけ。 昨日は朔夜さんが満足するまで体を繋げ、途中から記憶がない。体の至る所が痛い。一番痛い腰を庇いながら立ち、フラフラと洗面所に向かう。 「寝癖やば.......」 どうしたらこんな寝癖付くんだ。寝相が悪いのか?そんな事ないと思うんだけどな.......。 顔を洗い、髪をドライヤーで乾かし、少しマシにする。あとは蛍ちゃんに任せよう.......。 リビングに行くと、ラップされたサンドイッチが置かれていた。朔夜さんが朝早くから僕の為に作ってくれたと思うと嬉しい。 サンドイッチを胃袋に収め、少し早いが昼ご飯を買うために家を出る。 今日から3日間はお弁当ではなく、学食かコンビニ生活だ。夜ご飯は予め出来合いの物が冷蔵庫のタッパーに入っていると言われた。 今日は確か四限に体育があったはず。その後に学食まで走るのはしんどい.......と思い、近くのコンビニに入りおにぎりと、新発売の気になるお菓子を買って出た。 「おはよう律、蛍ちゃん!」 「おはよ、千花ちゃん」 「おはよ」 学校に着き、蛍ちゃんに髪を直してもらっていると千花ちゃんが来た。 相変わらずの寝癖だね!と僕の寝癖を写真に撮っている。いつも寝癖が酷い時に撮られる。 サラサラヘアーの千花ちゃんには一生分からないだろう、寝癖を撮られる僕の気持ちは! 「はい、これでいいんじゃない?」 「おぉ!ありがとう蛍ちゃん!」 あんなに酷かった寝癖が、蛍ちゃんの手にかかればすぐに直る。神の手だ.......! その代わり、今日も実験台になるのだが.......。 チャイムが鳴り、入ってきた先生が違うのでみんな驚いていた。急に決まった事だから、みんなに伝えてないのだ。 「有馬先生は今日から3日間出張なので、今日から僕が担当です」 「えー!そうなのー!?」 「有馬先生がいいのにー!」 女子生徒がブーブー文句を言っている。毎朝有馬先生の顔を見るのが楽しみで学校に来ていると、クラスの女の子が話していた。 担当の原田先生は、ちょっと困ったように笑う。年配のおじいちゃん先生なので、文句を言われて困っているみたいだ。 ホームルームを終えて、授業が始まる。先生は居ないけど、案外普通かも。

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