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第129話

夕飯とお風呂を済ませ、少し早いがベッドにダイブした。ふわふわのベッドに包まれると、自然と瞼が下りてくる。 危ない、まだ寝ないぞ。 朔夜さんにLIMEを送りたい。だけど今送っていいのかな、とさっきから迷っている。 スマホと睨めっこして何分経っただろう。 「わぁ!?」 突然、スマホが震えだしてびっくりしてしまった。ただの電話如きにこんなにビビるなんて.......。 一体誰だと名前を見ると『朔夜さん』の文字が。 朔夜さんから電話だ!!嬉しい!!なんだか久しぶりに話す気がして緊張する.......! 深呼吸して、通話ボタンを押す。 「もしもし、朔夜さん?」 『あ、良かった。出ないかと思った』 「出るよ!電話して大丈夫なの?」 『うん、今は俺一人だから大丈夫。ご飯ちゃんと食べた?』 「食べたよ。美味しかった」 初めは緊張したものの、話し始めるとやはり安心する。声だけしか聞こえないのが難点だ。声を聞いたら顔も見たい。出来ることなら触れ合いたい。貪欲な感情ばかり出てくる。 やっぱり会いたい。全然平気なんかじゃない。 『明日、帰るのは20時頃になると思う』 「ん、分かった。ご飯僕が作るね!何食べたい?」 『ありがとう、助かる。 そうだなぁ.......、カレーがいいな』 「また?」 『律の作るカレーが食べたい』 またカレーでいいのかな。でも、朔夜さんが食べたいと言うのだからカレーを作ろうではないか。自分で作るのより、僕が作るカレーが美味しいんだって言っていた。大して変わらないと思うけど、そう言われると嬉しい。 「朔夜さん.......」 『なに?』 「寂しいから、早く帰ってきてね」 『.......本当に?』 「嘘なんて言わないよ」 素直に伝えると、朔夜さんは食い気味に「本当に?」と聞いてくる。本当だ、嘘なんて言わない。一人は寂しい。今までは平気だったんだけどな.......。 『そっか.......。昨日連絡したら平気そうだったから、俺が居なくてもいいのかなって思ってた』 「そんな訳ない、昨日も寂しいって打とうとしたよ?でもお仕事だし、迷惑かなって思って.......」 『迷惑じゃないよ。それだけ俺の事思ってくれてるんだって知れて嬉しい』 まさか、昨日元気なさそうに感じたのは僕の態度のせいか!? ちょっと強がって、平気なんて送ってしまったからかな.......。 色々考えるより、素直に気持ちを伝えた方がいいのかもしれない。 つかの間の電話だったが、心は満たされた。 明日には会えるんだ。早く会いたいなぁ。

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