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第137話
次の日、パチッと目を覚ますと隣には朔夜さんがいた。そっか、今日は休みだから遅くまで寝てるんだ。
朔夜さんが出張中は隣に誰もいない寂しさを感じた。
でも今日からは、また朔夜さんがいる。
そう考えるとなんだか嬉しくて、ピッタリとくっ付いた。
そう言えば、朔夜さんの寝顔見たことないかも。いつも僕より早く起きてるし、休みの日も僕が遅くまで寝るから見えない。
これはチャンスだ。朔夜さんの寝顔を見てやろう。ヨダレ垂らして寝てないかな。いくらイケメンでも、寝てる時くらいは残念であってほしい。
「.......うわ」
よいしょ、と痛む体を起こし寝顔を見つめる。
うわ、ないわこれは。期待を裏切られた。
「ただのイケメンじゃん.......、がっかり」
イケメンは寝ててもイケメンらしい。世の中理不尽だ。寝てる時くらいヨダレ垂らして大口開けて寝てて欲しい。
なのになんだこれは。ただのイケメンじゃないか!
悔しいからキスしてやろう。普段はあまり自分からしないけど、寝てるし恥ずかしくない。
薄く開いた唇が綺麗で、見入ってしまう。
ちゅ、と触れるだけのキスをして、離れようとしたら後頭部を押さえられて離れられない。
「ちょっ、起きて.......っ、んんっ!は、ん.......ッ!」
唇を割って舌を差し込まれ、朝から刺激の強いキスをされる。ちゅるっと舌を吸って、満足したのかやっと解放してくれた。
いつから起きてたんだ!?
「律のえっち。寝込みを襲おうとした」
「ち、違うよ!ちょっとキスしてやろうと思っただけだもん!」
襲うなんて人聞きの悪い!僕が朔夜さんを襲うはずないだろ!僕は襲われたい側.......いや、なんてこと言わせるの!
コロコロ転がってベッドの端まで行く。腰が痛いから転がるのが楽だ。
律ー、と呼ばれたけど知らないフリをした。
すると、ギシッとベッドが軋んで朔夜さんがこちらまで来たことが分かる。
今度は何する気だ?と思っていると、優しく後から抱きしめられた。
「体は平気?」
「腰痛いけど.......」
「ごめんね、無理させて。今日はゆっくりしようね」
「う、うん.......」
さっきまでからかわれてたのに、急に優しくされると戸惑う。
だけど、さっきから当たってるんだよな.......。
「朔夜さん、当たってるんだけど.......」
「ごめんごめん、でも律だって勃ってるでしょ。朝なんだから」
そういって僕の股間をゴソゴソとまさぐる朔夜さんに「ばか!!」と枕を投げつけたのだった。
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