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第140話
酔ってる?僕が?そんな訳ないじゃん。お酒の入ったチョコレートを食べただけで酔うなんて信じられない。
「酔ってない!頭がフワフワするだけだもん!」
「それ酔ってるからね。律はお酒弱いんだね」
お酒弱くないもん!ちょっと頭がフワフワするだけだもん!
「酔ってない!」と駄々こねると、はいはい、と優しく頭を撫でてくれる。
もっと朔夜さんとくっ付きたい。
そう思い、のしっと朔夜さんの膝の上に乗っかった。上から見る朔夜さんもかっこいい好き。
さり気なく落ちないように背中に手を回してくれる所も好きだ。
「僕、朔夜さんがすき」
「ありがとう。俺も好きだよ」
「いっぱいいっぱい好きなの」
「いっぱいって、どのくらい?」
いっぱいは.......いっぱいだ。言葉に表せないくらい好きなのだ。
例えるなら.......なんだろう.......。
「宇宙.......」
「宇宙?」
「おっきいの、それしか思いつかないや.......」
この世に存在する大きなものの例えが、宇宙しか思い浮かばなかった。実際の宇宙はどれくらい大きいのかは分からないけど、宇宙の果ては未だに発見されてないから、たぶんこの世で一番大きいものだと思う。
それくらい好き。もっと言えば、宇宙なんかじゃ足りないくらい好き。
「ふふ、可愛い。宇宙かぁ。俺は宇宙なんかじゃ足りないくらい好きだよ」
「僕も!」
僕が思っていたことを言われて、ムッとして言い返した。僕の方が好きだもん!
朔夜さんは嬉しそうに微笑んで、僕を抱きしめる。
「酔うと甘えたになるんだ」
「酔ってないってば!」
「はいはい」
僕は酔ってなんかいない。何度も言うけど、ちょっと頭がフワフワするだけなのだ。
酔っぱらいは顔が赤くなって、立ってられないくらいフラフラになるという勝手な想像だ。自分の中の酔っぱらいのイメージだが、僕はそこまで酷くない。だから酔ってない!
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