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「ユイよ。不自由はないか?」
「...ええ、特にはありませんし、気を遣っていただかなくとも結構ですよ。王様」
「...そういう訳には行かぬ。お前はわしのお気に入りだからな」
...お気に入り...ですか。
「ありがたきお言葉ですが、わたくしには勿体無いかと。」
「...どこがだ。その綺麗な容姿に強き力。勿体無いどころか足らぬ」
いやらしい目でしか見れないのかこの男は。
「...貴方様の見解では、人口の1割もいないわたくし共は、奴隷ほどの価値だと理解しておりますが...?」
「お前は別だ。いつか心さえもわしの物になってくれれば良いのだがな。」
「...心ですか。考えておきますが、わたくしは女性の方が好みでして」
まず、他人をそんな目で見たことはないが...
「ほう、ならうちの娘などはどうだ?好きなものを選べばいい」
娘さえも物扱いですか…
「...いえ、護衛の任だけで十分です。わたくしには全て勿体無いものですよ王様。あぁ、もしくださるのであれば騎士の制服を新調したいので、次の戦いで勝てば褒美としてください。」
「ふむ。それくらいであれば容易いことよ。3人の姫の中で誰の護衛につきたいのだ?....制服の件についてはすぐに用意してやろう」
「王位継承権第3位、アリーナ様にございます。」
あえて、嫌われの姫を選択すれば王はどうでるのだろうか
「...そ、そうか...良いだろう。」
「...王様。一つだけ許可を得ても?」
「なんだ?」
「...わたくしは護衛の任につく限り、護衛対象である彼女を守ります。それは誰であろうと変わりません。...アリーナ様に刃向かう敵がたとえ、他の姫様であろうと。」
「...ふむ。2人には悪させぬよう言い聞かせておこう...」
「ありがたき幸せでございます。王様。...それでは失礼致します。」
俺は礼をして第3王女であるアリーナの元へ向かった
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