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嫌われの第3王女
ノックをすると透き通った声が聞こえてきた
ドアを開けると、丁寧にお辞儀して笑顔を見せた
「ご機嫌いかがですか…?アリーナ様」
「ユイ様...。ご機嫌麗しゅう..。お話はついさっき、お聞きしましたけれど…...」
「護衛について。ですか?」
「はい...。私は嫌われの身ですし、王様も...私を嫌っているかと。なのに何故、...王様の機嫌を損ねる方向をいつも選択なさるのですか?」
「...何故でしょうか。...ただそうしてみたいだけです。」
「...理由になってませんわ....。。」
「わたくしのことなど...誰も知らなくても良いのです。」
「...ユイ様...。」
「悲しいことだと思いますか?...わたくしは少しも思わない。...それが人口の1割もいない我々の本音です。」
「...ユイ様のように、なれればいいのに...」
「...アリーナ様はわたくしのようにならずとも、立派な王位継承権第1位の王女にしてさしあげますよ。」
「え...?」
「それでは、今日からよろしくお願いしますね」
アリーナは不思議な顔をしながら、俺を部屋へと通した
「...アリーナ様、できなかったことを致しましょうか。」
「できなかったこと...?」
「ダンスレッスンに世界地理、政治、...これらが必要です。」
「...私にですか...?」
「ええ。それとマナーも」
「...わかりました。頑張りますけれど…」
「披露するのは1ヶ月後の第一王女と第二王女が主催のお茶会の日です。アリーナ様には女性になっていただきます。」
「..はい...?お茶会..ですか?」
「ええ。今まで断っていらしたでしょうから。」
護衛についた日、アリーナとのレッスンの日々が始まった
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