「上手ですよ。アリーナ様」 ダンスレッスンの最初の日から数日は、アリーナの体力が無さすぎて、どうなるかと思っていたけど 大丈夫そうだ マナーもこなせているから、完璧になるまでそう時間はかからない。 ...問題は世界地理と政治だ 一切、触れてこなかった類だったらしい 「アリーナ様、この魔国の王はアリーナ様の父君であるブリッシュ王様でございます。そしてこの魔国は現在第一勢力です。...魔界にはまだたくさんの国があります。隣国のエランテル、同盟国のアリシナ。この2つは魔国にとって重要と言えるでしょうね。」 「初めて知りました。...でも神話は聞いたことがあります。統一されていた時代に初代魔界帝であるアレキウス帝が魔界を統治されていたと。でもアレキウス帝の支配が終わると、皆....鎖から解かれたように戦争と分裂を繰り返したと.....」 「...そうですね。....ですが、その後、偉大なる最高神は国を区切り、戦争を終わらせました。なぜそうしたのかはわからぬままですね…」 「...アリーナ様は昔の過ちを繰り返さぬ王となられてくださいね」 「...そのお話は本気なのですか...？」 「冗談で申し上げると？」 「....本気...なのですね....」 「国を変える覚悟はありますか？」 「....今現在では....何とも…」 「...まあ、まだそれは良いです。今はあなたの姉君である王女達に力の差を見せつけていただきます。」 「...お姉様...にですか...」 「決定事項ですよ、アリーナ様。....わたくしがわたくしであるためにあなたには手伝っていただきます」 「ユイ様が..ユイ様であるために...？」 「...今お答えできるのはこれくらいです。」 「...は...ぁ....」