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王女主催のお茶会
月日が経ち、あっという間に1ヶ月後になった
「...ユイ様...不安です」
「不安であれば、私に頼れば良いですが、王女達の前では、わたくしを呼び捨てにしてください。いいですね?」
「...はい...。わかりました。」
「行きましょう。アリーナ王女殿下」
「..はい。」
アリーナは俺の手の上に手を添え、歩きだした
大きな花のアーチを越えると、王女を含めた貴族の令嬢たちは驚いた顔をしていた
「...ご機嫌麗しゅう。お姉様方。」
「「.................」」
驚きすぎて挨拶も忘れたようだ。
「...エメルダ王女様。挨拶をお忘れです...」
貴族令嬢の1人が王位継承権第1位王女の名を呼んだ
その後に王位継承権第2位の王女の名を呼んだ
「パリル王女様も...」
「...ご機嫌よう。我が妹よ。元気だったかしら?」
嫌味たっぷりにエメルダはアリーナに挨拶した
「...皆、お前のことを心配していたのよ。アリーナ」
嘘つきな王女たち。
「そうですか。とてもありがたいですわ。」
「それはそうと、ここに何故、魔国の国家騎士であるユイ様が?」
「...おや、知っておられたのですね。わたくしのことを。」
「...ええ。知っておりますとも。ユイ様の噂を何度も耳にしております。」
「...噂ですか」
「ええ。国で1番の美しさを誇り、国を代表する強き国家騎士の顔と言っても過言ではありませんもの」
「嬉しい限りですね。」
「...お父様さえ心の底から欲しいと望む貴方様が何故アリーナの元に?....お父様より魅力的ですか?アリーナは。」
「....お答えする義務はありませんが?」
「...私のところに来れば何不自由なく、暮らさせてあげるのに....。あなたなら、王にさえなれるわ。私の夫となり、私に永遠の愛を誓うなら。簡単でしょう?」
「わたくしは今、魔国第3王女であられるアリーナ王女殿下の護衛でございます。ただのお茶会の場で、次期魔国王の討論をすると?」
エメルダは、バツが悪そうに、黙った
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