王に呼び出された日から、アリーナの環境は変わりつつあった アリーナが住む王女宮も華やかになり、大臣や貴族でさえ もアリーナに取り入ろうとする者が出てきた 「....アリーナ様、結婚申込が相次いでおります」 「...そうですか...。全てお断りくださいませ」 「...アリーナ様。一つだけ確認しておきたいことがあります。」 「なんでしょうか？」 「....アリーナ様に無理強いするつもりは、ありません。エランテルとの結婚に関しても、嫌だとおっしゃれば、私は何をしても守ります。」 「...ユイ様。ユイ様は最初にこう言いました。私を王にすると。....それ以外はどうでも良いのです。私が欲しいのは国を変えるための力。ただそれだけです。それだけお約束いただければ何を犠牲にしても構わないのです。」 「...短期間で、そう思ったきっかけはなんでしょうか。」 「....ユイ様の言葉です。私はこれまで何を言われても信じませんでした。でも、ユイ様は実現させた。そして、それは私が望むこと。利害の一致というものです。...私は王になりたいのです。」 ...1ヶ月半で王への自覚。彼女の素質は本物ならしい。 「わかりました。その願い叶えさせていただきます。」 「よろしくお願いします。」 俺とアリーナは再度、目指す場所を明確にした