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第7話

「……ひろきさん……服でかいんだけど」 お風呂の後、何も服などが無い俺にひろきさんが服を貸してくれた もちろんでかいだろうと言うのは分かってた 分かってたけど予想以上のでかさでズボンがまともに履けない パンツもゴムがウエストにあってなくて履けない 「ま、まぁ、いいんじゃ、ないか……」 「声も肩震えてるし絶対笑ってるでしょっ!!!」 怒って足でドスドスと地団駄を踏むと うるさいぞ と言われひろきさんにズボンとパンツを押し付ける 「もっと筋肉つけろ」 「別にいいもーん!」 「拗ねるな拗ねるな」 お風呂に上がってきた今でもずっと自己紹介カードに目を通しているひろきさんの横に座り手元をのぞき込む 和山先生は何歳ですか 先生は結婚してますか 弘樹先生の好きなものはなんですか 先生は下は何歳まで恋愛対象に入りますか…… なんだこれ 下心丸出しじゃん ムカつく 「先生って何歳なの」 「35」 「結婚」 「見てわかる通りしてない」 「好きなもの」 「SEX」 「それ好きな事でしょ」 ムッスーと顔に出てしまっているであろう表情を見て鼻で笑うひろきさん 全部を見透かされている感じがして余計顔に出てしまう 色々思わせ振りな行動をしてくるひろきさん あって数日、本当は俺の事をどう思っているのか聞きたい 聞いてもいいかな…… 「……俺とひろきさん、ずっと体の関係が続くの?」 「ん〜……さぁな〜、お前が望めば体の関係だけじゃなくなるかもな」 「でも中学生はダメなんでしょ」 「せめて卒業してから、だな」 あと約1年半……1年半か……長い…… 蹲って唸っていると頭が撫でられひろきさんが立ち上がる気配がする 「どこ行くの?」 「風呂だ風呂 中学生置いて出掛けるわけねぇだろ」 疑いの目を向けて睨むように見つめていると諦めたように俺の前にしゃがみこんだ 「俺とお前は体の相性は死ぬほどいいから お前が俺から離れない限りは俺はお前以外とSEXする気もねぇし 離す気もねぇよ とりあえず今お前は俺の恋人候補、だからそんなに拗ねんな」 ポンポンと頭を撫でてお風呂に向かうひろきさん 俺の中では恋人候補の言葉が反復横跳びのカバディ状態だ 恋人候補って事は中学卒業すれば確定恋人……! 確定報酬!? まじか!!! はわはわと口を抑えて頭の中で考えを巡らせる いい感じに言いくるめられた気もしなくもないけど今の俺には十分幸せな言葉だった

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