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第9話
ピピピピと朝を知らせるアラームが耳に障り近くにある温かいものにギュッと抱きつき頭を布団に潜り込ませる
「っん……5時……」
ムクっと温かいものは起き上がり必然的に布団がめくれる
「んんん〜……」
「仕事行ってくるから寝てろ
腹減ったら冷蔵庫の中のものチンして食え」
頭を撫でて部屋から出ていくひろきさんを目で追う
身支度をしている音を聞きながら再び眠りに落ち起きた時にはもうお昼過ぎだった
「……冷蔵庫……冷蔵庫……肉じゃが……冷凍ご飯〜……」
ご飯を入れる器を出して温めたものをテーブルに持っていき食べる
「うっま!!
家庭科の先生だけあってやっぱ美味い……」
幸せな気持ちになりながら黙々と食べている時にふと思い出す
そう言えばスマホ持ってきてない
ひろきさんと連絡取れない
どうしよう
そんなことを思っていると部屋の端に置いてある子機が鳴り始める
ど、どうしよう 出た方がいいよな……
「はい、和山です……」
『もしもし?』
「ひろきさん!」
機会を通した中でひろきさんの声が聞こえてくる
少し耳が擽ったい
『飯食ったか?』
「うん!肉じゃが食べてるところ!ひろきさんは?学校でしょ?」
『今は授業ないし近くのコンビニにタバコ吸いに来てんだよ』
「そうだったんだ」
『多分9時までには帰れるから』
「うん」
『いい子にしてろよ』
「はーい」
プツッと電話が切れ時間を見るとまだ3時過ぎ
9時にはまだまだ程遠い
……今日エッチしてくれるかな……
いやでも明日も学校だから金曜日までお預けかな……
一人で百面相しながら口にものを運ぶ
「ごちそうさま〜……早く帰ってこないかな……」
お皿洗わないと……
ソファに腰掛けてぼーっとする
ふと頭を誰かに撫でられる
「っん?」
「ただいま」
「あれ……」
寝てた……?
目の前には買い物袋をぶら下げたひろきさん
外も暗くなっていてどうやらいつの間にか寝てしまったらしい
「飯何がいい?」
「分からない……」
「じゃあチャーハンでもいいか」
「うん」
ボスっとソファのクッションに顔を埋める
カチャカチャと机の上の食器を片そうとしているひろきさんに慌てて後ろをついていく
「食器は俺が洗うよ」
「そうか?
じゃあその間に作っちゃうか」
少ない食器を洗っているちょっとした時間でさえもひろきさんが手際良く作ってしまうものだから俺が食器を片し終わる時と同時に食事も出来あがる
「ほら、食え」
「いただきます」
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