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第2話
「二人とも可愛い!!やっぱり素材が良いと頑張り甲斐があるよね!」
衣装合わせ。
どんなメイド服を着せられるものかと内心、ビクビクしていたが意外にもノーマルだった。
黒いシックなロングワンピースにロングの白エプロン。
肩紐のフリルが異様にフリフリしているが、まぁ、ホッと安心した。
グラビアアイドル達が着るようなコスプレめいたメイド服だったらどうしようかと思った……。
カツラも被せられて、化粧までされたのには驚いたが。
まぁこれなら恥ずかしさは半減したか?
遠藤は流石の可愛さだ。
よく似合っている。
「もう脱いでも良い?」
遠藤の仕上げをしている宮本にお伺いをたてる。
「待って、まだ駄目だよ。内田君達とのバランスをみるんだから!って芝崎君!そんなに足を広げて座っちゃ駄目!」
宮本は厳しい。
中身まで矯正させられるのか。
そういうのは遠藤に期待してくれ。
「あぁ…内田君達も用意できたみたいだね、並んでみて?」
執事服に身を包んだ内田達がこちらに向かってくる。
おぉ……流石だな。
着こなしていらっしゃる。
この格好が大分マシだと思った自分が悲しくなった。
俺も立つならあっちのステージに立ちたかった……。
ぼんやり眺めていると内田が近づいてきた。
「そんなに見られると照れる……惚れた?」
「……死ね」
俺が睨むと内田は肩を落としながら、宮本に呼ばれ遠藤と並ぶ。
こうして見ると美男美女だな。
視線を移して……岡崎。
ぷっ……。
「お前っ!!今、俺みて笑っただろっ!?」
「いや~七五三みたいだと思って?よくお似合いですよ。バカザキ様」
側にきた岡崎を恨みも込めて思いきりバカにした目で見上げる。
「ざけんなっ!てめぇだって……」
その先の言葉は続かず、顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
金魚みてぇ……。
「ほら、芝崎君も岡崎君も並んで、記念撮影しよ?」
宮本に押されて皆で並んで写真を撮った。
何の記念にもなんねぇわ……。
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