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俺の世界の中心に 第四話

3日経っても、4日経っても奏汰は現れない。 奏汰をスタートさせた場所は、始まりの街から歩いて一時間程度。 そして俺が待つ魔王の城はその街から歩いて三時間だ。 不老不死の能力があるから死んではないはずだ。 こんな事なら、もう少し余力を残しておくんだった。 早く奏汰と旅立ちたくて、余力分まで回復していなかったのに突っ走ってしまった。 サーチが出来ない。 奏汰は慎重派だからな……きっといろいろ準備しているのだろう。 もう少し待ってみよう。 ・・・・・ 一週間経ったが奏汰はこない。 探しに行くか? いや……すれ違いになったら可哀想だ……。 ……もう少し待ってみよう。 ・・・・・ 二週間………奏汰、何をしているんだ? そろそろ待つのにも飽きて来た。 奏汰から感じる力もあまり増えなくなって来ている。 俺の事を忘れかけているのか? 迎えに行くか……? いや…もうちょっと… ……もうちょっとだけ待ってみよう。 きっと奏汰は来てくれる。 ・・・・・ 三週間。 もう待てない!! 冒険者の奏汰、魔王討伐へ→魔王、奏汰を襲う→奏汰、抵抗して魔王の仮面が取れる→闇堕ちした俺、魔王として奏汰を陵辱→奏汰の涙→俺、奏汰の涙で元に戻る→ハッピーエンド。 ネットで散々勉強して、奏汰の為にシナリオを用意して待っていたが、もういい……迎えに行こう。 始まりの街………いない……。 街の奴らに聞いてみたが、誰も見た者はいなかった……。 次の街へ飛ぶか……いや、どこか道中にいるかもしれない……。 余力は残しておかないとな、何かあった時の為にも歩いて行くか……。 次の街。 ここにも立ち寄った形跡がない……。 奏汰……死んでは居ないだろうが……何か事件に巻き込まれたのだろうか? そんな奴らは創ってないけど……。 さらに次の街へ行こう……とにかく歩き回るしかない。 やっと次の街に着いた。 魔物に襲われて力を使ってしまった。 この世界の神に牙を剥くとは……。 ご利用は計画的に……だな。 この街で少し力を貯めてから動くか……。 「あっ……ごめんなさい」 人混みの中、小さな体とぶつかった。 ………っ!!! 奏汰…っ!!! この国の服に身を包んでいたが、奏汰だ! 「あ………」 いきなりの再会に上手く言葉が出ず。 小さな体は人混みの中に消えて行った。 ひどく久しぶりな気がした。 元気そうで良かった。 この街に奏汰がいる……奏汰と同じ街にいる。 胸が熱くなった。 聞き込みをして、奏汰の居場所を突き止めた。 酒場で働いているらしい。 奏汰は冒険者志望じゃ無かったのか? 俺と居た時とは違う顔をした奏汰がいた。 大勢の男達に囲まれて、楽しそうに嫁チートの能力を使い飯を振る舞っている。 体を触られているのに怒りもしない。 笑顔を振り撒いて、話している。 奏汰が魔王と結婚をしたがっていたから、この世界を創ったのに。 奏汰が魔王と結婚をしたがっていたから、嫁チートのスキルを与えたのに。 奏汰が魔王と結婚をしたがっていたから、俺は魔王になってお前を待っていたのに。 そんな奴等のためにその力を与えたんじゃない!! 「……奏汰」 これ以上、奏汰を見ていられなくて俺はそっと酒場を退出した。 あれだけ会いたいと思っていたのに…………前の世界が、世界喰いに喰われた時以上の絶望感。 奏汰は俺に会いたいと思っていなかったのか……? 夜が更けて、店も閉店の時間らしい。 戸締まりをする奏汰と店の男。 楽しげに会話を交わし、体を密着させて見つめ合う。 夜の道を熊みたいな男と寄り添いながら奏汰は闇の中へ消えていった。 俺がお前を待っている間、お前はそうやって男に媚びをうっていたのか? 魔王とは、全然違う男じゃないか………。 男だったら誰でも良かったのか? 噂の闇堕ちとは………こういう事を言うのだろうか……心の中に黒い何かが渦巻く。 なら……多少違うが、シナリオの続きを展開してやろうじゃないか。 なぁ……奏汰、お前は男とセックスしたいんだろう? なら俺が存分に可愛がってやろう………。

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