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25話/たいが

旨い食事のお陰でムク犬の機嫌は上々、会話もスムーズに弾んでいる。ムク犬の進路まで聞けたりして思いの外収穫もあった。 だが、中学生みたいな見かけによらず、ムク犬がこんなにしっかりしたビジョンを持っていたなんて、意外だったな…。 「調理部はね。仲良しの真央くんもいるし、部長さんも厳しいけど色んな事を教えてくれるし、後輩の三葉くんもシマくんもみんなお料理が大好きだから、スッゴく楽しいんだ〜」 調理部って言うと、確か小動物クラブって別名があるとか鷹取が言ってたな…。 ムク犬と良く連るんでる、小西真央もムク犬と同じような小柄な奴だし、3年の部長の卯月もやっぱり小さい生徒だった気がする。ちっこい奴らがワイワイ言いながら、料理をしている所を想像するとなんか和むな…。 「そっか、調理部はみんな仲良く活動出来てていいね」 「宍倉くんだってバスケ部のホープなんでしょう?この間の練習試合を見に行ったクラスの人が、宍倉くんのプレー凄く格好良かったって言ってたもんっ」 僕も観に行けば良かったなあ〜なんて、また目をキラキラさせてムク犬が言うから 「じゃあ、次の試合の時は応援に来てくれる?」 なんて思わず言っちまった…。こんな俺らしくない事を言っちまうなんて…と、自分でも驚いていたら 「ほんとうっ!?じゃあ僕差し入れ作って行くねっ、宍倉くんは何が好き?」 なんと、鴨がネギ背負って…じゃねえ。 ムク犬が差し入れ付きで応援に来るとか、言ってくれた。 やべ…頬が緩みそうだ。

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