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30話/むく

あれ〜?なんだかスッゴくいい気持ちだよう〜。頬っぺだけじゃなくて、なんだか身体もポカポカしてきたみたい〜。 お料理が美味しくって、ケーキも美味しくって、宍倉くんとのお喋りも楽しくって。と〜っても幸せな気持ちがいっぱいになったみたいで、ふわふわふわふわするよう〜。 だって、宍倉くんと二人でこんな風にお喋り出来るなんて、思ってもなかったもん。でもこうして改めて見る宍倉くんは、やっぱりカッコいいなあ〜。 イケメンなのは分かってたけど、こういうセレブな人が集まるような場所でも違和感がないどころか、却って宍倉くんのカッコ良さが際立ってるもんねえ〜。 「ふふふ…宍倉くんってぇ、カッコいいよねえ」 二年生になって、おんなじクラスになって、初めて宍倉くんを見たときはびっくりしたなあ…。 「頭もいいしスポーツも万能だし優しいし…、宍倉くんみたいに完璧な人って僕見た事なかったから、同じクラスになった時はドキドキしたんだよう」 一年生のとき、王子様みたいでスッゴくカッコいい人だって、噂で聞いてた宍倉くん。 「髪の色も瞳の色も紅茶みたいな綺麗な色で、睫毛長くてお鼻もスッと高くて…。僕初めて宍倉くんを見たときね、外国の王子様がいるって本気で思ったんだよ?」 あれ〜?僕どうしちゃったんだろう…。ずっと思ってたコトだけど、こんなにスラスラ宍倉くん本人に言えちゃうなんて。 「そんな宍倉くんと、こうして二人っきりでホテルに来てるなんて、なんだか僕ドラマのヒロインみたい〜」 まるで、にこちゃんが好きなドラマに出てくるシーンみたいだよねえ。 「ヒ…ロインでいいの?」 あれれ…?いくら宍倉くんがイケメン俳優さんみたいだからって、僕がヒロインなんておかしいよねえ、やだな〜僕ってば。 「あっそっか、ヒロインって女の子だよねえ。宍倉くんならヒーローだなあって思ったから、やだな僕変な事言っちゃったね」 あれえ…?まただあ?僕、どうしちゃったんだろう。普段なら照れ臭くて言えない事が、次々口から出ちゃうよ〜。 きっと宍倉くんが優しいから、一緒にいると凄く楽しくって幸せな気持ちになっちゃうからだね。 うふふふふふ…。なんだか楽しくってたまらない。今ならなんだって言えちゃいそうな気がするよう〜。 「あのねえ…僕、宍倉くんにお願いしたい事があるんだあ〜」 ようっし!思いきって言っちゃえ〜。

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