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32話/むく

宍倉くんはほんとうに優しいなあ〜。僕のお願いなんて無理に決まってるのに、僕に合わせて笑って頷いてくれた。 うふふふ、嬉しいなあ〜。 でもなんだか、さっきからふわふわふわふわしてて、まるで雲の上を歩いてるみたい…。 このまま寝ちゃったら、天国にいる夢が見れちゃいそうだよう〜。 ふわふわふわふわ…。気持ちいいなあ〜。 フンワリした浮遊感と僕を包み込む温もりに、閉じていた瞼が少しずつ上がる。 目覚めた僕の目に飛び込んで来たのは、宍倉くんの綺麗な顔だった。 あれ…? あれれれ…? え…っ?どうして宍倉くんがいるの?って言うか、ここはどこっ!? ゆっくり起き上がって、周囲を見渡す。目に映ったのは、凄く綺麗で高級感溢れる広々としたお部屋だった。 豪華な家具が置いてあって、僕が今まで寝ていたベッドも僕と宍倉くんが寝てもまだ充分余裕がある大きさで、やっぱり豪華な装飾が施されている。 え?え?どうして僕こんな凄いお部屋にいるの?…えっと、確か宍倉くんと公園で偶然会って、ご飯食べに行く事になって…。 あ…、もしかしたらここはホテルのお部屋…? でもどうして僕はここで、宍倉くんと一緒にベッドで寝ていたんだろ…。 あれ?服…これってバスローブってやつ?え?え?僕どうして着替えてるの?? 「…ん」 置かれてる状況が呑み込めずに戸惑っていたら、宍倉くんが起きる気配がした。

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