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なぜ村瀬とこんなことになっているのかといわれると、隼人自身もなにがなんだかよくわからないままこんなことになっていた、としか言いようがない。
同じ悩みを持つもの同士だからと親身になって話を聞いてくれていたところまでは良かった。
それがなぜか途中から夜の営みの話になって、夫を見返す話になって、自分でも簡単な肉体改造ができると言われ、今なら無料で体験ができると言われ…
あれよあれよと言う間にいつの間にか服を剥かれていたのだ。
それも決して無理矢理というわけではない。
隼人自らそうしていたのだ。
しかし、いくら簡単な実践とはいえ、まだ出会って間もない男に下肢を暴かれるのには抵抗がある。
「大丈夫、何も心配することはないですよ。ここの団地の奥さんたちはみんなこうやって試してから買われていく方が多いんです」
村瀬は爽やかに笑うと、隼人の頑なに閉じている足を惜しげも無く左右に広げた。
「わっ!!え…み、みんなって…ほ、ほんとですか?」
股間を両手で隠しながら恐る恐る村瀬を見上げる。
男は至極当然というように頷いた。
「えぇ、もちろんです。いくら表向きうまくいってるように見えても、実際そうではない家庭の方が多いものなんです。あんまりそういった事って公にしたくないじゃないですか?」
村瀬の言葉にハッとした。
充とうまくいかなくなってから、買い物などですれ違う他の夫夫が皆幸せそうに見えて仕方がなかった。
それは自分がダメだから…自分だけがこんな風に悩んでいるんだと思っていた。
しかし村瀬の言う通り、表向きは幸せそうでも悩みを抱えてる夫夫がいるというのも納得できる。
隼人自身、それを知人や家族に知られたりしたくはないと思っていたからだ。
夫に愛想を尽かされかけて一人寂しい思いをしているのは自分だけじゃない。
そう思うとなんだか力が抜けた。
「俺たちはそういった悩める夫夫の力になりたいと思って、こうして一軒一軒お邪魔してるんですよ」
村瀬は口元に笑みを浮かべると、抵抗をやめた隼人の両手を隠していた股間からズラし頭上へと縫い止めた。
「両手はここに、動かないでくださいね」
隼人が素直に頷いたのを確認すると、男は隼人の股座をじっと見据えた。
「可愛い性器だ。陰毛も少ないし…色も申し分ない。ここも使い慣れてるとはとても思えないほど慎ましくていじらしい形をしていますね」
尻の狭間に隠れたアナルまでも事細かく分析されて羞恥でどうにかなってしまいそうになる。
「あの、あんまりじっと見られると…」
「でも…随分狭そうだ。ここを広げるともっと深い挿入を味わえるんですよ、知ってました?」
男は屈託のない笑顔でそう言うと、突然何か冷たくて硬いものをアナルに押し当ててきた。
「え?!あ?!何…」
慌てて下肢を見ると、男の右手には青いプラスチックのシリンジが握られていた。
その丸みを帯びた先端は、隼人の狭孔に狙いを定めている。
「奥さんが中から感じ取れるようにしっかり濡らすだけですよ」
村瀬はそう言うとシリンジの先端をねじ込み、容赦なく押し子を押し込んだ。
ビュルビュルと音がしそうなほど勢いよく発射され、中がじっとりと濡らされていく。
粘膜を濡らされる感覚は久しぶりだった。
思わず喘ぎそうになって必死に唇を噛みしめる。
しかし村瀬はもう一本取り出すと、これでもかというほど奥深くまで差し込み再び押し子を押した。
尋常じゃない量のローションを注がれて、なんともいえない感覚が下肢を襲う。
「ぁっ…い、入れすぎ、じゃないですか」
簡単な実践と言っていたのにここまでするんだろうか。
隼人は不安げに村瀬を見るが、男は隼人のぐしょ濡れのアナルを見て満足げに微笑んでいる。
さらに村瀬は隼人の尻肉を掴むとグニグニと揉みだした。
揉みしだく度に、中に注がれた大量のローションがぐじゅぐじゅと音を立てて溢れてくる。
排泄感にも似た感覚に隼人は真っ赤になって頭を振った。
「あ…っぁっあ…それは…やだぁ」
「これくらい濡らさないとダメですよ。この狭い孔をうんと広げなくちゃいけませんからね。嫌ならここでやめますか?他の奥さんたちでここでやめた方はいなかったんですけど」
男は涼しい顔でそう言うと、ローションを馴染ませていた動きをやめた。
羞恥に染まった隼人にのしかかってくると真っ直ぐ視線を合わせてくる。
「俺はどっちでもいいんですよ、というのは嘘です。正直奥さんがこのままやめて、旦那さんを見返せないまま悲しい思いをするのは見てられない」
村瀬の男ぶりのいい顔と甘い言葉に頭の中が蜂蜜のようにとろけていく。
大人っぽくて、かっこいい人にこんな風に言ってもらえるなんて、そうそうない。
なけなしの理性はあっという間に飛んでいってしまい、代わりに眠っていた欲望が目を醒ます。
「どうします?やめますか?」
村瀬の優しい訊問に隼人は迷わず「続けてください」と答えたのだった。
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