竜蛇×犬塚「うちの子、可愛い対決」その2。
ピロリロリーン♪
「あ。志狼から返信だ」
竜蛇が受信メールを開封すると、写真が添え付けられていた。
「……っ!!」
灰色猫の着ぐるみを着た鉄平だ。
恥ずかしそうに、顔を真っ赤にして上目遣いでこちらを見ている。
なんだこの可愛い生き物は!
なんだこの可愛い生き物は!
(大事なことなので2回言いました)
だが、続く一行に竜蛇の目が凍った。
『うちのタマの方が可愛い』
───カッチーン!
「おいっ!何してる?いい加減にどけ!」
「……犬塚。お前にあって、タマちゃんに無いものはなんだと思う?」
「タマちゃん!? アザラシのか? なんのことだ!?」
「大人の色気だ。未亡人がごときの艶っぽさだ。いやよいやよも好きのうちだ」
「はぁ!?」
「ちょっとお前、胸元はだけさせて、乱れてみなさいよ」
「何を言ってるんだ! 何を言ってるんだ!?」
分からない。俺には、この男が理解できない。
犬塚は混乱していた。
「なんだ、犬塚。俺に乱して欲しいのか」
「なっ!? 違う!」
竜蛇がサソリ固めを解き、犬塚に覆い被さってきた。
「欲しがりだな。お前は」
背後からジジッ……と、着ぐるみパジャマの前ジッパーを下ろした。
「あ! よせっ!」
竜蛇のいたずらな手が、犬塚の素肌を這う。
つ、と指先が乳首を掠めた。
「……あっ」
さっきまで吠えていた犬塚が甘い声を上げたので、竜蛇の唇に笑みが浮かぶ。
「……誘うな。犬塚。このままお前を抱きたくなる」
「誘ってなんか……あ、あ!」
竜蛇は後ろから犬塚の耳を食み、乳首を愛撫する。犬塚の鼓動が早くなったのを、肌に触れた手のひらに感じていた。
「あぁあ……んっ」
竜蛇は犬塚を振り向かせて唇を奪った。舌を絡めて、蕩けるような甘い口づけを与える。
犬塚の体から抵抗する力が失われていく。
犬塚は竜蛇のキスに弱い。いつも溺れてしまう。
「……ん、むぅ……はぁ……っ」
唇を解き、唾液の糸を引いて竜蛇の唇が離れた。
犬塚は濡れた竜蛇の唇をぼんやりと見つめて……
───カシャリ☆
シャッター音で我に返った。
「いいよ。犬塚。最高にエロい表情だ。よし。志狼に送ろう」
「っ!!」
犬塚は暴れて、竜蛇の体の下から逃げ出した。
「いい加減にしろ!! そんなに気になるなら、志狼って奴のもとに行けばいいだろう!」
「犬塚」
「早く出て行け!!」
吠える犬塚に、竜蛇が極上の笑みを浮かべて這い寄った。
「妬いているのか?」
「なっ!? 違う!!……あ!」
竜蛇は犬塚の腕を掴んで、体の下に引きずり戻した。
「可愛いよ。犬塚。お前みたいなのをツンデレと言うんだろう?」
「ツ……何言ってるんだ! 俺は、違っ……んんっ!」
再び竜蛇に唇を奪われた。激しく貪られ、犬塚の息が上がる。
「ハァ、ハァ……あ、んぁ」
竜蛇の舌が蛇のように、犬塚の首筋を這い回る。
不埒な手か着ぐるみを脱がせていく。
「お前の裸は好きだが、こうして脱がせていくのもいいな」
「バカなことを……んっ、あ」
低く笑って言う竜蛇に、犬塚が可愛らしい悪態を吐く。
益々、笑みを深くして、竜蛇は可愛い悪態を吐く犬塚の唇にキスを落とした。
そのまま、竜蛇は犬塚にだけ、深く溺れていった。
その頃、竜蛇の送ってきた写メに刺激された志狼は、逃げる鉄平を捕まえて、子猫のイメクラプレイで愉しんだのだった。
終わり。