「そしてふたりは幸せに暮らしました」のその後
「君のいない、明日」
「ロード・ダニエルと聖リュカの誘惑」(https://fujossy.jp/books/8845 )のダニエルとリュカは、「そしてふたりは幸せに暮らしました」で終わるふたりですが、でも、そうしたら最後はどうなるのだろう?
「死がふたりを分かつまで」ふたりは一緒にいるのだったら、ずっと年下の恋人であるダニエルはそのあと、どうやって生きていくのだろうか。
そう思ったらその後が気になりだして、この話ができてしまいました。ダニエル60歳、リュカ72歳くらいです。
これはバッドエンドなのかハッピーエンドなのか、私にはわからないのですが、いきなり読んだらショックかなと思ってアップ先を別に作って、注意書きを載せました。私だったら、40年経ってもこれくらいラブラブだったらハッピーエンドかなって思いますが…。
そもそもこのふたりの老後なんて全然書く予定がなかったので、ダニエルが2000年生まれです。そのため、舞台はざっくり2060年。そんな未来に何が起こるか、未来ものを書く気はまったくなかったので困った困った。
特に悩んだのは以下の点。
1)ケニアのLGBT関係の法律が改正されているかどうか
2)ケニアの医療がどれくらい進んでいるか
3)世界的に医療がどれくらい進んでいるか
基本的には2019年とそんなに変わらない感じで書いてしまいました。SFみたいに未来を書きたいわけではなくて、恋愛を書きたいわけなので。一応別れの時間が取れる、わりと罹患率の高い病気のイメージで、癌なのかなーと思って書いていたのですが、2と3が飛躍的に進んでいることも考えられたので病名は書いていませんし病気の症状も書いていません。40年後もまだアフリカで病気になってもヨーロッパに行かないと充分な医療が受けられないんだったら、今頑張ってる皆さんに申し訳ないというか、悲しい気もしますね。
そういえば、羅川真里茂さんの「ニューヨークニューヨーク」でラスト、何十年後になるんですが、最後に記者がインタビューをする形で終わって、今でいうICレコーダーがカセットテープっぽいのを見て、どうにも80年代感を感じたことがあります。まあでも、将来何がくるかなんて開発してる仕事でもしてないとわからないですよねー
セント・ポール大聖堂と「ザ・サヴォイ」はまだあると信じてます。
ちなみにロンドンでダニエルの泊まってるホテル「ザ・サヴォイ」は一泊5万円くらいのホテルです。とりあえず高級そうなところでセント・ポール大聖堂の近くで探しました。そこで数ヶ月って一体いくらかかってんじゃ、と書きながら突っ込んでいました。大学教授と言ってもダニエルの月収は、そこ2泊分くらい。ネットの記事でケニアの大学教授の年収は120万円くらい(月収約10万円)と読んだので。ちなみに国民の平均月収が1万円くらいらしいので、それでも高給取りの方ですね。
でもホテル代がいくらかも考えることもなくお兄さんの手配に任せてる甘え上手な末っ子のお坊ちゃんがダニエルです。おじいちゃんになっても。
彼は本当に愛以外のことはどうでもいい人。多分お兄さんが悪い人だったら転落人生を送ってますね。
一応リュカが家計管理してると思いますが。ちなみにリュカはイギリスの感覚で最低賃金くらいは払われていると思うので、月収15万円くらいかなー。40年経ったら物価も変わってると思いますが、現在の物価相当でお願いします。
「賛美歌320番主よみもとに近づかん」本編中に出したかったけど出さずに終わってしまったこの曲、本編でお兄さんが歌っている「かみともにいまして」と合わせて今回のBGMでした。今回はキリスト教のお葬式で使われる曲を中心に聴いていました。「主よ、みもとに〜」は「タイタニック」、「フランダースの犬」、「銀河鉄道の夜」などに出てきます。私は「銀河鉄道の夜」のイメージが強いかなあ。
この話、変な言い方ですが最後ちょっとBLになっちゃったかなというか、テーマを処理しきれず恋愛に逃げた感はあります。といってやっぱりフジョッシーさんですしね…。またいつかこのテーマにチャレンジできたらいいな。
ちなみにタイトルに「、」が入っている作品を書くのは初めてです。iphoneで間違って「、」入力されてしまって、見てみたらわりといい感じだったのでそのままにしました(笑)。