キャンバスに雨音~アマネによるタイトル解説~

「キャンバスに雨音 - つゆのくるぶし 2 -」
https://fujossy.jp/books/13157
第2話「壱越の二上り」を公開しました。


☆アマネッティのお三味で遊ぼ♪のコーナー☆

 

えー。みなさんこんにちは、初めまして。「つゆのくるぶし」並びに「キャンバスに雨音」のメイン張ってる「猫だけが友達の音大浪人生」アマネです。突然ですが、タイトル解説をしたいと思います。

 

「壱越の二上り」は「いちこつのにあがり」と読みます。イチモツじゃありません。いちこつです。

 

「二上り」というのは、調弦の種類の一つです。調弦。あ、調弦がもうイミフ? マジですか。えっと、チューニング。チューニングは分かります? ギターの。そう、そんな感じのアレです。

 

三味線はその名前の通り三本の弦があるんですけど、それぞれ太さが違います。いや僕の股間は見なくていいです。この弦。この、糸の話です。一番太いのが一の糸。真ん中が二の糸。細いのが三の糸。縦の糸はあなた。横の糸は私。織りなす布は今は関係ないので次に進みます。

 

二上がりは、「一の糸と二の糸の間が完全5度」、「二と三の糸の間が完全4度」の調子のことです。「5度」ってなんだよ、発泡酒のアルコール度数かよ、って顔しないでください。この辺の説明は面倒なので分かんなかったら各自グーグル師匠に聞いてみてください。

 

あ、今、「ドソド」とか「レファ#ラ」とかじゃないのかよ、と思ったあなた、鋭いです。じゃないんですよ。三味線は洋楽のように「ハ長調はドから始まる」といった決まりはなくて、唄う人の声域とかに合わせて基準にする音が変わるんです。

 

それじゃあ西洋音楽の、ドレミファ~、またはCDEF~っていうアレね、そういう、音階。アレにあたるものがないのかっていうと、あります。「律音」と呼んでいて、オクターブを12個の音に分けています。「壱越」はそのひとつで、CDEF~で言うところの「D」の音にあたります。

 

つまりですね、「壱越の二上がり」は一の糸、一番太い糸ですね、それを指でどこも押さえていない開放状態でDの高さに合わせて、調子は二上がりだよって意味です。具体的には、一の糸がD、二の糸がA、三の糸が一の糸より1オクターブ上のD、という組み合わせってことになります。

 

で、何が言いたいかと言うと……えっと、つまり、そんな感じのお話です。

 

 

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☆前作はこちら
「つゆのくるぶし」
https://fujossy.jp/books/12742

☆子育て・子持ちコンテスト優秀賞「BABY,DON'T CRY.」
https://fujossy.jp/books/6493

☆時代物コンテスト最優秀新人賞「bone」
https://fujossy.jp/books/5402

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https://fujossy.jp/books/4506

☆「Blue Lotus」スピンオフ「Scarlet Lotus」
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