よもやま4to7 カット集より

こんばんはニナちゃんです。

 

ある程度書きなぐってから忘れた頃に推敲する私はページをばっさりカットすることが多く、カットした部分は『カット集』というフォルダにまるっとぶち込んでいます。

そのうち使うだろうシーンもまぁまぁあるのですが、溜まったカット集を読み返したところ「これは今後も出さんやろ」というやつを見つけたのでここに供養。

 

未読の方はなんのこっちゃわからんと思いますが、どうぞ。

 

念のため紹介

・高峰……主人公/元マフィア

・凰丞(コースケ)……一般人

・肇紘……一般人、料理人

・店主……元マフィア幹部

・ルッソ……マフィア現役コンシリエーリ

 

 

【No biscuit / サンドイッチと焼き魚】より カット部分

 喫茶ボナセーラにてランチ中の人々。

 

/*/

 

 肇紘は一度両腿のあたりで手を払い、凰丞に皿を差し出した。

「ほらよ」
「やったー!」

 ぴっちりと高さを揃えて並べられた、4切れのサンドイッチ。
 高峰にも同じものが出される。
 凰丞は嬉しそうに頬張り、もぐもぐしながら顔を綻ばせた。

 甘めに焼かれた厚焼きたまごに、薄く塗られたからしマヨネーズが絶妙に絡み合う。
 うっすらと焦げ目のついたトーストも、抜群であった。
 具はたまごだけなのに、まったく飽きない。

「めっちゃうまぁい。トシ君やっぱ天才やな」
「そりゃどーも」
「これメニューにしよ」
「気が向いたらな」

 肇紘はトレンチに自分の食事を乗せ、カウンターの一番左端に座った。
 焼いたニシンとご飯にみそ汁。
 添えられた大根おろしは、なんとあの店主が手掛けた合作である。

 この場に居る全員が、食事を摂っていた。
 マフィアの元幹部とコンシリエーリ、その元部下と、何も知らない一般人にウェイター。

 何だこの空間は、と高峰はサンドイッチに手を伸ばす。
 ルッソはその光景を、にこにこしながら眺めていた。

「みんなで食べるとおいしいね」
「そうですね」

 高峰はまったくそうとは思っていない表情で、言った。
 正直、誰と食べても、ひとりで食べても味は同じだろうと思っていた。
 旨いに越したことはないが、空腹が凌げられれば何だってよかった。
 ただ、隣で口いっぱいに頬張り一生懸命に食べる凰丞の姿を見るのは、悪くない。
 凰丞は視線に気付き、高峰を見つめたまま口をもぐもぐさせ、嚥下する。

「なに?」
「いえ」
「そんな見られると食べにくい」
「すみません」

 高峰は手に取ったひと切れを、齧った。
 今度は凰丞が見つめる。
 確かに見られながらの食事は、なんと言うか、進まない。

 

 

 

以上。

蛇足が多い作品だし別に本編で載せてもよかったのでは。

いやしかし話が逸れる。カットしてよかったんだ。

 

 

閑話休題。

本編はキリハラ君が玉砕したところですが、まだ現在のパートは続きます。

ちょっとだけシーンが重くなるので書き上げてから更新したいと思います。

キリハラ君の回想に入るよ〜。

またまた長くなってごめんなさい〜!

でも面白いと思います〜!

 

300ページもある話ですので敬遠されるとは思いますが。

この記事から興味を持っていただけたら嬉しい限りです。

読んでくれてる人にはありがとうしかないぜ!

 

 

おたのしみに。

では。