よもやま4to7 カット集より
こんばんはニナちゃんです。
ある程度書きなぐってから忘れた頃に推敲する私はページをばっさりカットすることが多く、カットした部分は『カット集』というフォルダにまるっとぶち込んでいます。
そのうち使うだろうシーンもまぁまぁあるのですが、溜まったカット集を読み返したところ「これは今後も出さんやろ」というやつを見つけたのでここに供養。
未読の方はなんのこっちゃわからんと思いますが、どうぞ。
念のため紹介
・高峰……主人公/元マフィア
・凰丞(コースケ)……一般人
・肇紘……一般人、料理人
・店主……元マフィア幹部
・ルッソ……マフィア現役コンシリエーリ
【No biscuit / サンドイッチと焼き魚】より カット部分
喫茶ボナセーラにてランチ中の人々。
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肇紘は一度両腿のあたりで手を払い、凰丞に皿を差し出した。
「ほらよ」
「やったー!」
ぴっちりと高さを揃えて並べられた、4切れのサンドイッチ。
高峰にも同じものが出される。
凰丞は嬉しそうに頬張り、もぐもぐしながら顔を綻ばせた。
甘めに焼かれた厚焼きたまごに、薄く塗られたからしマヨネーズが絶妙に絡み合う。
うっすらと焦げ目のついたトーストも、抜群であった。
具はたまごだけなのに、まったく飽きない。
「めっちゃうまぁい。トシ君やっぱ天才やな」
「そりゃどーも」
「これメニューにしよ」
「気が向いたらな」
肇紘はトレンチに自分の食事を乗せ、カウンターの一番左端に座った。
焼いたニシンとご飯にみそ汁。
添えられた大根おろしは、なんとあの店主が手掛けた合作である。
この場に居る全員が、食事を摂っていた。
マフィアの元幹部とコンシリエーリ、その元部下と、何も知らない一般人にウェイター。
何だこの空間は、と高峰はサンドイッチに手を伸ばす。
ルッソはその光景を、にこにこしながら眺めていた。
「みんなで食べるとおいしいね」
「そうですね」
高峰はまったくそうとは思っていない表情で、言った。
正直、誰と食べても、ひとりで食べても味は同じだろうと思っていた。
旨いに越したことはないが、空腹が凌げられれば何だってよかった。
ただ、隣で口いっぱいに頬張り一生懸命に食べる凰丞の姿を見るのは、悪くない。
凰丞は視線に気付き、高峰を見つめたまま口をもぐもぐさせ、嚥下する。
「なに?」
「いえ」
「そんな見られると食べにくい」
「すみません」
高峰は手に取ったひと切れを、齧った。
今度は凰丞が見つめる。
確かに見られながらの食事は、なんと言うか、進まない。
以上。
蛇足が多い作品だし別に本編で載せてもよかったのでは。
いやしかし話が逸れる。カットしてよかったんだ。
閑話休題。
本編はキリハラ君が玉砕したところですが、まだ現在のパートは続きます。
ちょっとだけシーンが重くなるので書き上げてから更新したいと思います。
キリハラ君の回想に入るよ〜。
またまた長くなってごめんなさい〜!
でも面白いと思います〜!
300ページもある話ですので敬遠されるとは思いますが。
この記事から興味を持っていただけたら嬉しい限りです。
読んでくれてる人にはありがとうしかないぜ!
おたのしみに。
では。