設定・裏話② ネーミング
前回に引き続き、小説『ラブ、大盛つゆだくで』の設定についてのお話です。
今回は、ネーミング編です。
登場人物や場所の名前はどうやって考えたか、を語っていきたいと思います。
『ラブ、大盛つゆだくで』
https://fujossy.jp/books/17547
※以下、作品のネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
※既読者向けです。
(全話読んでくださった方のオマケコンテンツです)
※小説内のほぼすべての名前(全登場人物・全固有名詞)が出てきます。
■固有名詞(地名)
場所の名前は、感覚で適当につけています。
時間を表す言葉から使用しました。
「あけぼの区」……曙(夜が明け始め、日の出が始まる一歩手前の時間)
「暁ヶ丘」……暁(太陽が出る前の、空が明るくなり始める時間。明るくなる前の状態)
「黄昏町」……黄昏(夕方の薄暗い時間。「誰彼は」と相手に尋ねなければ顔が分からないような薄暗さ)
「ひねもすモノレール線」……ひねもす(朝から晩まで続くさま。一日中。終日)
イメージとしては、暁ヶ丘は駅ビルがあるほどの賑やかな都会、また路線の乗換もあるほどの大きな駅。黄昏町はオシャレな美容室がたくさんあって少し落ち着いた雰囲気の町。
日出づる処がどうのこうのと同じ感覚で、暁→東の空、黄昏→西の空、
といった感じで、日が昇る側の方が栄えています。
暁ヶ丘駅周辺で忘年会のシーンがありますが、居酒屋などが集まっている繁華街があるのもそういった法則で東口に位置しています。
■固有名詞(店)
なるべく実在しない名前を作るというのが難しかったです。
「invisible garden(インビジブル ガーデン」
……『透明の庭』という意味。無地・シンプルな洋服が多いので何にでも合う→透明。メンズもレディースも取り扱っていてたくさん数がある→庭。といったイメージ。「インビジ」と略したときに呼びやすい名前にしたかったので、響き重視でつけました。
「meteorite(メテオライト)」
……『隕石』という意味。なんか意識高い系の美容室にしたかったので、意味から単語を選びました。必殺技みたいな名前ですが、普通にオシャレな美容室です。
「ワンダー・キングダム」
……ファンタジーの世界&王国という設定から最初は「ファン○ジー・キングダム」と名付けていました。第1話をアップする直前、念の為ググって確認したところ。いやあるんかい!実在してたんかい!ということで、急遽こちらの名称に変更させていただいたという裏話。危なかったです。アトラクション名や内容を考えるのも、めちゃくちゃ楽しかったです。
「牛丼屋」
……本当は店名つけてあげたかったのですが、これだ!と考えた名前が既に実在していたので、諦めました。なので、最後まで「牛丼屋」です。ある意味わかりやすくていいかなと…。外国人店員さんは何気に私のお気に入りです。
■登場人物の名前
「牧」「鳴海」
……主役の二人は、物語の都合上女の子の名前に間違えられそうな名字、というのが大前提でした。字面よりも先に響きから名付けました。マキさんの漢字は種類がたくさんありますが、イメージで決めました。攻めなのに「ナルミちゃん」って呼ばれてるの可愛いかなって思って、鳴海の方を攻めにしました。
『牧と鳴海を取り巻く人たち』
……脇キャラ名はある法則を決めて、それを元に名付けていきました。気づいている方も多いかと思いますが、「まきばの『牧』です」と本人が言っているように、牧サイドの人物は大地を連想する字を。鳴海サイドの人物は海を連想する字を当てがいました。ただ、海関係となるとさんずいが多くなってしまいそうだったので、なるべくさんずい以外の文字を使った名前を選ばせていただきました。
牧サイド…土田、川本、山村
鳴海サイド…有島、三船、渡辺
といった具合。
もちろん、響きだけでつけた名前もあります。
「土田」……「つっちー」という愛称から先に決まりました。字は土属性感を出して、主役を支える頼もしい雰囲気をプラス。聞き上手で、接客が得意。ちなみに、つっちーの年齢は34歳です。牧とは暁ヶ丘のショップにほぼ同時に所属した同期ですが、牧は高校から続けていたアルバイトから正社員登用で、つっちーは大学卒業してからの就職なので、アパレル業界の経験は牧の方が長かったりします。…という裏設定。
「川本」「山村」……インビジの女性スタッフさんたち。川と山の文字を使いたかった理由から。店長は、店長のままです(笑)インビジの店員さんたちは仲良いですね。川本さんは彼氏持ち、山村さんは既婚子持ちで隠れ腐女子です。
「小磯」……さんずいのない海っぽい字ということで、磯。小という字にも理由はあるのですが、ここでは言わないでおきます。
「有島」……海の上にぽつんとある島のような存在。鳴海が溺れそうになったところで辿り着いたところ、みたいな。
「三船」……主役二人を助ける大きな存在?というイメージから、船。ところどころおとぎ話を揶揄した表現が作中に出てくるのですが、おとぎ話ってやたら「3」という数字が多いんですよね。本人もロマンチストですし、三と船で三船さんにしようと決まりました。
「渡辺」……美容室のモブお客さん。ただのモブなのにすごい活躍をしてくれた人。ざっくり調べたところ、船渡し(人や物を船で運ぶ仕事)をしていた人たちが名乗った姓である渡部が変化した名字だそうで。全国名字ランキング上位にある名前にしようという考えもあり、また、牧(大地)と鳴海(海)を繋ぐ存在という意味を込めて、こちらの名前に。第二候補として、橋渡しをする存在というイメージで高橋さんも上がっていたので、とても悩みました。
「ショーコ 」「ミホ」……このあたりは完全に響きから。カタカナなのは、その方が可愛いかなっていうのもありますが。ショーコちゃんは、名前が漢字だとどうしても賢い印象が出てしまうので(超失礼)、フワフワ感出すためにあえてカタカナ表記で。ショーコちゃんは、ちょっぴりアホだけど優しい性格のお姉さんです。
思い出せるキャラは以上になるのですが、見逃しあったらすみません(´._.`)
以上、ネーミングについてのレポートでした。
次回は、「設定・裏話③」をお届けします。
というか、このコーナー需要あるのかわかりません(´>ω<`)
いつまで完結した作品について語ってるんだ!とそろそろツッコミが入る頃かなと心配になるチキン野郎は私です。
初めての長編で思い入れがあったもので……すみません。
あと数回続けようかと思っていたのですが、空気を読んでぼちぼち終わりにしようかなと思います。
つまらない話をいつも聞いてくださって、ありがとうございます。
このようなところまで読んでくださっている方、
いつもブログにいいね押してくださる方、
本当に感謝です…!
ありがとうございます!!*_ _))